Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

メタ認知-『脳内現象』<その5>

 

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photo by Durango Tig

メタ認知』とは、聞き慣れない言葉です。

しかし、茂木氏の脳内現象を語る上で欠かせないキーワードになています。メタ認知とは自己の中に生まれたクオリアを再認識するクオリアであると解釈しました。

前回、ペンギンが海に飛び込もうか、飛び込まなかろうか迷っている不確定性の状況を述べています。誰しも、このような分岐点の状況におかれた事はあると思います。

なぜ、女性は男性のギャップに惹かれるのか。-『脳内現象』<その4> - Noriyasu_Katano's blog

これをスムーズに決断するためには、まず今、自分がおかれている状況(不確定な状況)を認識しする必要があり、その後、安定した要素を取り戻すために、行動が行われます。安定を取り戻されると、「不安」が解消されます。解消されていない場合は検討した安定要素が違っていることになります。

回避にかんする実験

アメリカの脳科学者ロバート・ハンプトンは、猿にある課題を与えました。また、課題を回避する選択肢も用意しました。

つまり猿の選択しには「課題に成功する」、「課題に失敗する」、「課題から回避する」の3項目を用意されてことになります。課題に成功したら鉱物のピーナッツが与えられます。失敗したら何もなくなり、回避を選んだらあまり好きではないエサがもらえます。この実験を比較するために、同じ課題を強制的に行わせるため回避という選択肢をなくした方法もとられました。2つの実験から、回避する選択肢がある実験のほうが正解率は上がりました。

つまり、猿には課題を行って成功する自信があるか、ないかを判断する力あることわかりました。猿にも自分をモニターする力がある事がわかりました。これが、サルにおけるメタ認知と呼べます。

課題を遂行する事とさらに、その答えに対して自信があるのかないのかということが再認識されているといえます。人間のメタ認知はさらに発達し、自分自身が意識を持っている存在であると気づく「自己意識」の働きも人間のメタ認知だといえます。 

脳内現象 (NHKブックス)

脳内現象 (NHKブックス)

 

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