意識の問題ってだいぶ解明されているのでは？量子脳場理論に触れる

寂れた古本屋でBULE BACKSの本を見つけました。180円となんともお得な買い物だった。兼ねてから量子と脳の関係に惹かれていたのでタイトルを見てすぐに購入しました。

『脳と心の量子論』と面白そうなタイトル。著者は治部眞里氏と保江邦夫氏である。

この本、初めはザッと目を通した時は、非常に怪しい感じがしました。ミッキーマウスの話が出てきたり、ミクロの決死隊の話に、エルヴィンシュレディンガーの名前から仮想のミクロ船エルヴィン号となるものまで登場するので、なんとも怪しい宗教的な要素が多い本だと思った。

量子力学とかは十分に解明されていない分野で、さらに一般的には非常に抽象的でわかりにくい分野なため、たまに愛だの宇宙だの、神秘の力だのと間違った解釈で間違った方向に教える輩がはびこり易い分野なので、その辺の類と一緒だと思った。

しかし、じっくり読んで見ると非常にわかりやすく書いていたほんで量子脳場理論の入門書としては良い本だと感じた。

この理論をこの本だけで理解するのは難しいが、触りの部分だけはなんとか理解できる。量子脳場理論を僕なりに解釈すると、次の様になる。

まずは、全ての根元が原子でできており、原子にはプラスの要素とマイナスの要素を持っている。これらは全て磁気の影響を受ける。これは原子が寄り集まった物でも同じ様に影響している。

水が静電気によって流れを帰るのはまさに水の原子にもプラスとマイナスがあるため、その現象が起きる。

さらに、これは脳の中でも同じことが起きている。そして、それらは脳の中で塊の様に結びついているところそうでないところが生まれている。多分、片栗粉を水で解いた時に、半分固まっている中に、片栗粉がダマになっているところなどあると思う。あのようなことを言っていると感じた。

そしてこの塊の部分に記憶などが発生し、寄り集まって意識を作っているのではないかという風に受け取っている。

そして、量子の特徴としてシュレディンガーの猫の様に生きている状態と死んでいる状態が重なっていると言われているが、これはノイズキャンセラーの様に波長がうまく重なってしまっているため片方の現象しか見ることができないらしい。

量子の塊に関しては、「ボース＝アインシュタイン凝縮」の様に量子が塊を作る現象は見つかっている。この塊はある特殊な条件上で発生しているが、それと似た様な現象が脳内でも発生しているのではというのがこの本を読んだ僕の解釈である。

もしかしたら、かなり間違っているかもしれないが。

この本では脳内の半分液体状態のところから塊でできて、その塊を繋ぐ様に記憶が作られ、それらから意識が生まれると言われている。では、その過去の記憶を移植することで、記憶や意識を変更することができるのではないかと思う。

この量子脳場理論は1970年代に梅沢氏が発表した論文が起源になっていると言われている。今から40年近く前にすでにこういった量子の考え方の元ができていることが驚きである。

もし記憶を保存している場所が特定でき、記憶の移植などができれば、その人を乗っ取ることができるのかもしれない。

この様な話と似た様なことがNetflixの『トラベラーズ』という作品で表現している。

作品は題名の通り未来からきたタイムトラベラーズの話で、未来の地球が危ないから過去に戻って直そうとする話だが、他のタイムトラベルものと大きく違うのが、意識を乗っ取るという点だ。

主人公たちは未来から来たのだが、その姿は未来の自分たちの姿ではなく、現代の誰かに意識（記憶）のみテレポートしている。色々とツッコミどころが多い作品だが、なかなか興味深く見ることができた。

彼らが送られて来る前の未来ではすでに量子力学が進んでおり、現代のコンピューターよりも優れた物を扱っている。さらに、その世界では「ディレクター」と呼ばれる量子コンピュターの人工知能が全てを計算し導き出している。

彼らが送られてくる先の母体となる宿主もディレクターにより分析で導き出されテレポートさせられる。なかなか、面白い考えだと思った。

先の話ではないが、意識とは過去の集積でさらにそれを作り出している元は原子であり、その原子の現象が意識だというのは至極当然の話の様に思う。しかし、どうしても意識を考えると物理現象とは違うものと切り離して考えがちだが、我々の意識や魂というものはそれほど高貴で高尚なものではないのではと思う。

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