Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

Netflix『World Wide Country(ワールド・ワイド・カントリー)』を観て

osho

ラジニーシ」もしくは、「Osho(オウショウ)」という人物を知っていますか?Netflixの『World Wide Country』を観ました。このドキュメンタリーを観て初めて知りました。大変興味深い内容なのでブログに書いておきたいと思います。 「ラジニーシ」というような検索キーワードでググるオウム真理教とよく似ているという様な記事を見受けられます。このドキュメンタリーを観ると行っていることがよくわかると思います。すごく乱暴にいうとOshoという人物が立ち上げて1980年代にアメリカに移って繁栄したカルト宗教だと思います。カルト宗教と言っても日本人が思い描く様なとは少し違い、現在でも信仰している方がおられます。

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どんな内容なのか

内容的にはドキュメンタリーです。6話から構成されていて、教団自体には黎明期から現在まで5段階くらいの成長がある様です。このドキュメンタリーでは、第1期インドプネーとアメリカのオレゴン州アンテロープに移り住んでからの話を中心としています。

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1930年に作られ、初めはインドの片隅でOsho(本名:チャンドラ・モハン・ジャイン)が作って自分の考えなどを広めていました。同時に欧米ではインドに旅行する人が増えていき、この教団と接する人が増えていきました。その中で、Oshoの片腕となったのが「シーラ」とい女性です。彼女は非常に聡明で、この教団をどんどん広げて大きくしていきました。多分、宗教家ではなくビジネスマンとして非常に優れていたと思います。インドで大きくなった教団は、1980年にアメリカのオレゴン州の片田舎に移り住みます。ここまでが1、2話になります。

インドからの移住

ここからが勢力的に教団の活動が始まります。インドから移り住んだ教団の信者たちは、その地で大きな村を建設し始めます。この辺りからオウム真理教と非常によく似た動きになります。オウムの方がこの教団を真似しているのか、それとも一つの信仰に囚われると同じような進化をするのか、どちらかわかりませんが、この2つのカルト宗教は規模は全然違いますが非常に似ています。

ラジニーシは村を建設し、自分達で銀行を作ったり、お店を作って信者同士で売買をするなど一つの経済圏を作り上げます。しかしそれはあくまでも閉ざされた教団内だけのものです。ここが感心する点ではあるんですが、ある程度の知識を持った人たちが集まると、全て自分たちで完結できてしまう。オウム真理教もまた同じように上九一色村で同じようなエコシステムを作り上げていました。

周囲との断絶

自分たちの事がある程度回り始めると、より大きくなる事を求め、ラジニーシはその市の選挙に出馬します。さらに彼らのすごいところはその選挙に勝つためにアメリカ全土からホームレスを無償で呼び寄せます。バスで迎えいに行き、訪れたホームレスに無償で医療や衣服、食料、仕事を与え選挙権を取得していきます。それにより選挙に勝ち、その町を占拠していきます。

ここまでくると周囲に溶け込むと言うようり、周囲と壁ができ、溝が深まることになります。周囲は全く中身を知ることが出来ず不安にかられ、彼らを排除していきます。当の教団側も周囲に理解を求めず、排除されることに苛立ちを感じていきます。 教団は徐々に武装し始め自分たちの身を守ろうとします。 このあたりもオウムに非常によく似ています。

この後、教団は徐々に内部分裂が始まり、それまで纏めていたシーラとそれに対抗するグループができていきます。対抗グループがトップのOshoに取り入れられます。のちにシーラは、Osho自体が薬漬けにさせられて、騙されていたと話しています。 また、アメリカ全土からも注目を浴びることになりシーラはOshoからの信用を無くし、数名の側近と共にヨーロッパに逃亡します。その間にOshoは逮捕され、程なくシーラも逮捕されます。Oshoは国外退去という形でインドに戻っていきます。

結末

シーラは10年以上投獄されます。Oshoは、最初の地で多くの信者に見守られながら死んでいきますが、一説には側近によって毒殺されたという話もあります。ラジニーシ教自体は、今日も全世界に信者を多く抱えて活動しています。

まとめ

ラジニーシの教えはその当時のヒッピー文化と似たところがあり、自由や人間本来の姿を導き出すことを求めていたらしいです。なので、教団内ではフリーセックスが横行しており、どこでもセックスをしていたという証言もあります。

養老孟司オウム真理教の事を話していたことがあります。「彼らは社会からの離脱を図りたかったが、結局は上九一色村で同じ社会を作っている。」ラジニーシもまた同じで、社会から解放されるために自由を求めてラジニーシ教を求めていたけれども結果的に同じ仕組みを作り上げて行っていました。

人間を効率的に組織化させる上では、人間自体が築き上げてきた社会システムというのは、感情論関係なく、うまく働くシステムなのかもしれません。もしくは、結局、人間の求めるところはその程度なのかもしれないです。

このドキュメンタリーは、現在のシーラを追ったドキュメンタリーもあります。同時の彼女とは全く違った穏やかな振る舞いで自分の半生を見つめていくドキュメンタリーです。是非、こちらも観ていただきたいです。

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