Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

【ネタバレ注意】24の人格を持つ男の真実(Netflix 『ビリー・ミリガン 24の人格を持つ男』)

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1992年、私が17歳の時に『24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録』という本が出版されました。高2の自分にとっては非常にショッキングなタイトルでした。「人格が1つなのが当たり前と思っていたのに、24人も人格を持っているってどういうこと?」と思い本を読み始めました。

それから、29年が経ってNetflixでドキュメンタリー化され、あの当時の感情が蘇りドキドキしながら観ていました。Netflixオリジナルドキュメンタリーで4話完結となっています。このドキュメンタリーは自分として非常にショッキングな内容だといえます。

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そもそもビリー・ミリガンって誰よ。

ビリー・ミリガンは冒頭でも記述したように24人の人格を持つ男として、日本でもベストセラーになりました。多分、この記事を読んでいただいている方の中にもこの名前を覚えている人は多いと思います。ビリー・ミリガンは1955年アメリカで生まれ、1977年に3人の女性を連続強姦し、持ち物を強盗した容疑で逮捕されます。 逮捕後、本人の様子がおかしいということで精神鑑定が行われ、彼の中に別の人格がある事が発覚されます。

多くの精神科医と面談し、彼の新しい人格がどんどん現れてきます。それぞれの人格にはそれぞれの特徴があり、話し方や言語、仕草や描く絵などが変わっていたようです。人格が変わる際は目が虚になり、急に態度が変わってしまうというようなことが本には描かれていました。

記憶が定かではないですが、本ではこの24の人格がひとつづつ統合されて回復していくような最後だったと思います。

どうしてこうなった?

本やドキュメンタリーでも語られていますが、彼が多重人格になったのは彼の生い立ちにあります。人格障害には幼少期のトラウマが切っても切れない原因と言われています。 彼の母親はちょっとした有名人でしたが、どうもダメ男を好きになってしまうタイプらしく、3回くらい離婚と結婚していました。 最後に結婚した旦那からビリーは性的な暴力を受けていたことが分かり、これが症状の原因と言われています。

今回のドキュメンタリー

ビリーの兄弟や学校の同級生などビリーに親しい人から診療した医者などがインタビューされて、当時のニュース番組などと絡めながら話が進んでいきます。1話目は逮捕されて24人の人格がいることがわかり、2話目移行は精神科での生活から退院、3話目移行が精神科以降の話になります。

本では、精神科を出て終わりだったような気がしますが、ドキュメンタリーではその後の話が2話目あたりから語られます。 ドキュメンタリー内でも終始話されているのが、本当にビリーミリガンは多重人格だったのかという点です。最後まで見るとなんとなくその答えがわかりますが、2話目あたりから、怪しくなっていきます。「えっ、俺の信じていたビリーミリガンは???」という感じでドキュメンタリーに引き込まれます。

3話目以降が衝撃的で、彼は多重人格ということで強姦の罪を逃れることができ、さらにその後も殺人などの犯罪を犯しますがそれもあやふやになります。 当時インタビューを受けていた本人の母親の映像も出てきますが、母親は完全に多重人格を信じていたような事を発言しています。病院を出たビリーは元々絵が上手いところもあったので、絵を売って生計をたてていきます。さらに、24人の人格ってことで色々なところから注目を集めます。病院で知り合った先生と自分の事を本にして稼いだり、こんな珍しい話はハリウッドが注目しないわけにはいかず、映画の話も出てきます。

トラウマが大変で、精神を病んでいたのがどうもそうではなく、ウハウハな生活をしていたとは、なんともショックが大きいです。雰囲気からカートコバーンを彷彿させて弱々しい印象だったのが意外と逞しいなんて、、、

もし、一度でもビリーミリガンの名前を聞いた事がある人は、このドキュメンタリーを見て欲しいです。 真実って簡単に歪められてしまうんだなと思いました。