ノーム・チョムスキーは言語学者と言って良いのか、ウィキペディアによると、哲学者、言語哲学者、言語学者、認知科学者、論理学者といろいろな肩書きがついている。この本は酒井邦嘉さんが書いたチョムスキーについての本である。 チョムスキーはアメリカの学者で日本ではそんなに有名ではないが、海外ではダーウィンやアインシュタインと並ぶほどの革新的な学者の一人である。2022年の現在もまだ存命でいるが結構なお爺ちゃんである。
元々、チョムスキーが言語学をやっているというのは何となく知っていたが、実際にどんな内容なのかは知らなかった。彼の革新的な考えに触れる導入として非常に良い本だと思った。
どんな内容なの?
本の内容は先に書いたように、チョムスキーって誰?何やった人?それがどんなにすごいの?をかいつまんで優しく説明している感じ。優しいと言っても半分も理解できなのが事実。チョムスキーは言語を科学した人と言って良いのか、その発想を生み出した人ってことだと思う。
「言語学」って言葉だけを聞くと、英語や、日本語、スペイン語というような普段私たちが話いる言葉を研究する訳だから、文系的な要素が強い。実際にこの本を読むまでは私自身もそう思っていた。ただこの本を読むと冒頭の数ページでその浅はかさがよく理解できた。
言語が科学である理由
非常に乱暴に説明すると、人間は本来言葉を理解する能力を持っているという事。つまり、言語の習得は後天的なものではなく、先天的に備わっているということ。しかし、これを言葉で説明し、根拠を見つけるのは非常に難しいのがこの本を読んでわかる。知れば知るほど、言葉ってなんだ?って思えてくる。
単純に考えると、日本語と英語は大きく違う、使っている言葉も文法も違うが、根底の部分では同じ事でそれは人間が意識的に作り上げたのではなく自然と元から備わっていたという事らしい。
じゃぁ、生まれたばかりの赤ちゃんも言葉を喋れるのか?
ブッタは生まれてすぐに「天上天下 唯我独尊」と呟いたらしいが、そう言う意味での先天的な言語能力ではなく、言葉を感覚的に習得できている状態であるということのようだ。足が2本備わっているから人間は二足歩行できるように、言語も既に備わった機能ということらしい。
そして、この研究が進めばどういう事になるかというと、言語習得の方法が根底から変わっていき、よりスムーズに多言語を理解することができるんじゃないかと思う。
一体どういうこと?
説明していてもよく理解できないし、この本を一冊読んで理解できたらそれこそすごい事なんだけど。多分、日本語も英語も利用している文法には規則性があり共通性を見出せる。その規則性と共通性はどこから来ているかというと、人間本来の規則性から生まれて来ているという事何だと思う。
「物心がついた時」という言い回しがある、これって多分大体4歳から5歳くらいに周りの状況がよく理解できるようになり、手足も自由に自分の意識で動かせるようなタイミングだと思う。何となく大人になると、意識がまずあってそれと共に言語の習得や実際に使うようになっていけるようになると考えがち。つまり、意識が全てをコントロールしている感覚なんだけど、実際言語は既にその機能を持っており、そこから意識が生まれて生きたような気もする。
この辺りを考えると以前youtubeで見た慶應大学の前野隆司さんの講義内容と関連していそうな感じがする。
余談ですが、今の時代は非常に恵まれている時代だと言えます。慶応大学に通っていなくても慶應大学の講義を見ることができのは非常に素晴らしい。 この動画は内容自体は著書である『脳はなぜ「心」を作ったのか』を講義しています。1時間くらいあって長いですが、これを聞いていると意識というのがよくわかります。
全く自分でも、まとめる事ができませんでした。 今日はこのくらいにしておきたいと思う。