Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

日本人の根底にある階級序列〜越智敏之・越智道雄訳『菊と刀』の第一章〜第三章

Star Wars, Shibuya

数年前に購入して一度ブログでも取り上げた『菊と刀』をもう一度読み直している。

 

noriyasu-katano.hatenablog.com

 

『虜人日記』を読んで「日本人ってどうしてこうなんだろう」と思い、再度読み直してみた。

菊と刀』はルース・ベネディクトという文化人類学者が第二次大戦終盤に日本を占領するために日本人を研究した本である。

これは日本人が日本人を研究してるのと違い、アメリカ側の冷静な視点でアメリカと日本を比較研究している。

「日本はなんでこうなんだろう」と思う点

疑問になっている「日本はなんでこうなんだろう」と思う点について深く考えてみたい。多分、多くの人が感じている他国と比べて日本の欠点とされている所がある。経済的な停滞や、モリカケ問題などなど、色々な問題で感じ、さらに身近な点でも、会社の上司や制度に「なんてやりにくいんだ」と思う点がある。

自分の中で感じるのは日本の原因の根源の一つだと思うのが、「同調圧力」という問題で、この同調圧力を作っているのが、今回紹介する『菊と刀』で挙げられれいる「階級序列」だと感じている。

第一章では研究課題の日本人やその文化を冷静に分析し、取り組み内容を説明している感じである。この章でつくづく感じるのはベネディクトが冷静に日本人とその文化を観察、分析している点である。

日本人が描く日本人像の中には多くのメタ情報が含まれてしまう、それは文章からも伺えてしまうのではないだろうか。このブログでも「なんでこうなんだろう」という言い回しにはそれぞれが思う日本人だから感じられる視点があり、その事をそれ以上深く追求できない、追求してもしょうがない印象を受ける。

本来、ベネディクトの様に突き詰めて考えなくてはいけないが、そこが日本人という同種に対して追求をやめてしまう風潮があるように思う。

戦争に向かう大きな考えの違い

この本の冒頭からそのことが伺える。第二次大戦中、多くの日本人が持ってた印象は、「お上が決めたからしょうがないじゃん」っていう気持ち。近くの大人に聞いてもそうだと思うが、「あの戦争ってなんで起きたの?」という質問にうまく答えられる日本人ってどれだけいるんだろう?あの当時もどれだけの民衆が戦争に向かうことを理解していたのだろうか。

アメリカの視点としては枢軸国(ドイツ、日本、イタリア)が諸国を侵略したという視点であり、日本側の視点は侵略という観点ではなかった。

日本は、全ての国家が絶対主権を持つ限り、世界は無秩序状態にあったと考えており、その状態を打開するのが日本の階級序列だと考えていた。もちろんその序列のトップに立つのが日本という考えだ。

この階級序列が日本の根底にあると分析している。

その当時から国民の多くが階級序列の考えを持っており、序列の低い国民には全く理解できていなかったのではないかと思う。それは現在も続いている考えと言える。