Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

結局日本人は何も変わらない。〜小松真一『虜人日記』を少し読んで。

Japan

この本は小松真一氏の戦争体験記である。捕虜になる前までを読んで思ったので、まとめておきたい。

どんな本かと言うと小松さんが体験した事を細かく本人が書いている。捕虜になり、ルソン島に移されてから時間ができたので書き残したらしい。それにしては細かい事が沢山書いてある。その他に彼のスケッチも添えらえている。

小難しい戦争論ではなく、いち日本人が経験した事を書いている。本当の意味での日記である。

日本人は変わらない

昭和18年7月、酒精工場で働いていた筆者がフィリピンの占領地にブタノール製造のために行く事になる。

ブタノールは発酵技術を使って生成され、ガソリンに混ぜたりして燃料として使っていたらしい。

ryojin-nikki.com

発酵技術を研究していた真一は引き抜かれた形でフィリピンに向かう。

 

この本が面白いのが彼のちょっとしたコメントが面白い。当時の人とは思えないほど上官とかに対してシニカルに表現している。

 

当時のマニラは日本軍様様だったようで、極楽と評している。それに甘えた上官達がいて仕事もしないで遊び歩いているところなどが描かれている。そして部下に対しては、厳しいとどこかで見たような光景で想像が容易い。

 

「日本人は教育はあるが教養がない。」今にも通じる言葉は当時のアメリカ人の言葉らしい。

 

この本の前半だけでも、こんな呆れた上官がゴロゴロ出てくる。結局、無能で無駄な人間が上長に取り入れられて、地位だけ獲得する人間が多すぎる。さらに、情けないのはこれが70年以上前から変わってなく、もしかしたらもっと前から変わって無いんじゃないかと思う。

 

結局日本人の思考はだらしなく、適当で何も考えていない。血がそうさせるのか?日本語がそうさせるのか、この本は日本人が有事の時に見せる一面を淡々と表現している。

この本を読んで反面教師的に自分の中で消化していきたい。