Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

日本人が読むと価値観が180度変わる本〜『日本人の性格構造とプロパガンダ』

『日本人の性格構造とプロパガンダ』はイギリスの文化人類学者ジェフリー・ゴーラーの4つの論文を翻訳家福井七子氏がまとめた本です。福井氏はルース・ベネディクトの『菊と刀』も訳されている方です。残念ながら私はまだ福井氏の翻訳された『菊と刀』は読んだことがありません。別の方が訳された物を読んでおりこのブログでも各章ごとに追っています。

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福井氏は翻訳と共にルース・ベネディクトの研究もされているそうで、今回紹介するジェフリー・ゴーラーはベネディクトに大きな影響を与た人物だと家割れています。特に『日本人の性格構造とプロパガンダ』は『菊と刀』に直接影響を与えているのが分かります。

こちらは福井氏による「ルース ・ ベネディクト、ジェフリー ・ ゴーラー、ヘレン・ミアーズの日本人論・日本文化論を総括する」レポートになります。 https://www.kansai-u.ac.jp/fl/publication/pdf_department/07/081fukui.pdf まだ読めていませんが備忘録のため掲載します。

本書は第二次大戦戦争末期にジェフリー・ゴーラーが当時日本人に対して多くの聞き取り調査や資料をもとに政府機関に対してレポートした論文4つをまとめています。「日本人の性格構造とプロパガンダ」「日本文化におけるいくつかのテーマ」「極端な事例 日本」「ジャップはなぜジャップなのか」。この4つの論文の最後に著者考察を含めています。

私はこの本を読んで自分の認識が180度変わった事を実感しています。前回の記事でも書きましたが、本書の内容は戦争末期にアメリカが日本を利用するためにどのようにすれば合理的で協力的な国民に作り替えられるかを研究した物だといえます。

日本人が読むと価値観が180度変わる本

当初私は常々思っていた「日本人はどうしてこうなんだろう」と言うネガティブな想いを解消する目的で『菊と刀』を読んでいました。菊と刀はまさに私の抱いていた絡まった感情をスルスルと解いてくれる物だと感じていました。政治家などの偉い人にへつらい忖度する人や、上司の立場を利用して部下を恫喝する人など、菊と刀ではこの様な感情は日本人の階級序列を重んじた文化くる物だと解説しています。

確かに日本にはその最たる風習である年功序列が深々く残っています。21世紀になった現代でも残っていると思います。これだけ日本人の事を理解した本はなく、ではその師匠にあたるジェフリー・ゴーラーの本となるとまた別の角度から日本人を抉ってくれるだろうと期待していました。

菊と刀』は丹念に日本人の性格の成り立ちを分析し多くの人にそれを知ってもらうために書かれているような印象を受けます。しかし、本書は『菊と刀』とは大きく違い、目的を持って誰かに提案するための内容だと気づきます。最後の福井氏の解説を読むとより理解できますが、本書はまさにアメリカ政府の要請によりまとめ上げられたレポートになっています。 この本を読むと今まで実しやかに語られていた「WGIP(War Gilt Information Program)」や「3S」の施策が本当に行われていたんだと理解できます。つまり私たちが持っている「日本人はどうしてこうなんだ」と言う疑問自体が生まれた背景がよく理解できました。

そこから、私は今まで持っていた日本人への印象や文化への不信感がなくなりました。今まで「右翼」と毛嫌いしていたことが素直に理解できるようになったのです。もちろん、まだまだ研究するべきことはありますがこの歳になってようやく気づいた気がしています。

極端な潔癖症が日本人の元

理解を深めるために『菊と刀』同様にこの本も細かく見ていきたい。本の初めの章はタイトルにもなっている『日本人の性格構造とプロパガンダ』です。これは読んで字の如く、「日本人はこういう性格構造をしているから、こんなプロパガンダをしたらどうですか?」的な内容です。

日本人の性格構造はやはり師弟関係にあるベネディクトに大きく影響を与えているようで、幼少期から老人までの下りなどは『菊と刀』の12章と似ています。日本人を分析して『菊と刀』と大きく違うのは日本人を作り出した根底の解釈が大きく違っていました。ベネディクトは日本人の根底には「階級序列」が大きいと伝えていますが、ゴーラーの場合は「トイレットトレーニング」だと言っています。つまり「トイレの躾」です。 日本人からするとなんとも気が抜けてしまう解釈ですが、真面目に書いています。

つまり、ゴーラーは日本人を作り出したのは極端な潔癖症で汚い物に対して異常なほど徹底しており、それが幼少期の躾から行われているとのことです。そのため日本人は常に抑圧された精神状態でいると言っています。さらに、極端な潔癖症を保つためには、つなに周りの環境を熟知して管理していないと気が済まないので、理解できない物に対しては徹底的に調べる文化だと伝えています。そのため反面理解できない環境に進んではいかない保守的な一面があるが、今回の戦争に駆り立てたのは、理解し日本人が管理するために起こしたと伝えています。 今回の大東亜戦争に日本を駆り立てた真理は以下の5つだと言っています。

  • 全ての環境を管理(テンプレート化)したいという心情
  • 他国からの地位の確立
  • 抑圧された日本社会からの脱出
  • 抑圧された本来の攻撃性の発散
  • 戦争を行うことが名誉だと教育されている

これがゴーラーがまとめた日本人の性格構造だと言っています。

実際に行われていた謎のラジオ放送

この内容を踏まえて、実際に日本人に対してどのようにプロパガンダを打つべきかも書いてあります。

  • 複雑なプロパガンダで発信すること
  • リーダーに対する恥辱や不信感を植え付ける
  • ラジオによる訴求
  • 日本国内の統一性を欠かせる

これらを提案しており、実際に戦争末期に行われた「ザカライアス放送」はまさにその施策の一部だと言えます。 「複雑なプロパガンダ」と言うのは、説明が難しいが私の解釈では、日本人は常に深読みをしていおり、直接的な言い回しでは、その事を信用することはないので、それに関連した別の観点を伝えることで本来の内容を信じ込ませるという事だと思います。今はもっと直接的なんだと思いますが、例えば、数十年前の高校生女子が好きな男の子に自分の気持ちを伝えるのに大きく遠回りをして伝えるような方法だと思います。

その他の内容は想像できる内容かと思いますが、これらのことが戦争末期から戦後にかけて実施されていたと思います

ザカライアス放送 - Wikipedia

日本のテレビ局は完全に洗脳装置

この記事を書くうえで色々と調べ先の「ザカライアス放送」を見つけました。 これに関してBS朝日のページにも説明が掲載されていますが、内容が全く違って説明されています。 この放送は完全にアメリカによる日本人へのプロパガンダであり平和的に集結させるための手段ではなく、日本人を洗脳させるための手段だと分かります。

archives.bs-asahi.co.jp

しかし、日本のテレビ局の言い回しは非常にポジティブで和平を気取った言い回しを使っているところが気になります。 多分、日本のテレビ局は戦後から何も変わることはなく淡々と日本人を洗脳しているんだと思います。自分達にはその意識は微塵もないんだと思いますが。