Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

【ネタバレ注意】ダンケルクを観て

Escape to Dunkirk

クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』を観てきた。

この世界の片隅に」続く、良い映画だと率直に思いました。多分、何も聞かずに映画を見ると、映画の構成自体からわからなくなるんだろうと思った。私は、すでに観に行った同僚から構成を聞かされていたので、ある程度身構えて見ることができた。

観ている途中で、聞かなければよかったと思ったが、映画としては非常に面白かった。

長さの違う3つのゴム紐

映画の構成を簡単に言うと、長さの違う3つのゴム紐を伸ばして、同じ長さにしたような映画だ。この構成で感じたのは、「インセプション」「インターステラー」に続く時間軸が一つのテーマになっているような気がした。

私自身たまに感じることがあるのだが、例えば、自分を入れて3人の人が、同じ方向や逆方向で進んでいるときに、歩幅も歩きはじめも違っている3人が、同じタイミングですれ違う時とかないだろうか。それが、意識すると結構頻繁に起きているような気がする時がある。ダンケルクを観ているとまさにその感覚に襲われる。

それぞれ、違う生活があり、全く関係ない人がある一瞬だけ重なりあうタイミング。拡大解釈なのかもしれないが、なんとなく、シュレーディンガーの猫を思わせる。

息つく暇を与えない106分

この映画のすごいところは、最初から最後まで全く止まらないことだ、それぞれが時間軸が違うためなのか、全ての話の進行で全てのシーンで緊張と緩和が瞬間瞬間で訪れる。多分、戦争ってこんな感じだったんだろうと思わせる。

さらに、すごいのが画面構成が見事なことだ、駆逐艦が沈むシーンを定点で取ることで、今まで観たことのない沈没シーンが見れる。こう言う画面構成の面白さはキューブリックの面白さに通じる。

なんとなく感じるのはストーリーや脚本としての面白さはさることながら、画面構成のこう言う取り組みを見ると、「監督は、本当に映画が好きなんだなー」と感じる。

裏テーマは「助け合うこと」

さらに、この映画を観て感じるのは助け合いの精神であることだと思う。最後のシーンで民間の船が軍を助けすシーンがあるけど、ああ言うのを見るとイギリスって不思議な国だなと感じた。一見、冷静沈着であまり感情的に動かない人種のような印象を受けるが、そんなことはないんだなと思った。イングランド出身の監督で、なんとなくイギリス万歳のような感じも受けたけど、そう言う一面もあるのかと思った。

フランス軍の兵士がイギリス軍に混じって戦地から逃げようとするが、彼は幾度となく周りの人間を助けようとする。いろんな目を受けながらも。そして、パイロットは多くの兵士のために燃料がなくなった機体でも奮闘し、最後はその身を捧げる事になる。

映画の全編を通じてそんな気持ちが、折り重なっていく。

 是非、IMAX シアターで

今回、初めてIMAXシアターで映画をみた。この映画の相性がよかったのかもしれないが、非常によかった。SFやアクションなどはあらゆる角度から音が来て、非常に臨場感があった。普通の映画館ではもう観ることができないくらいの体験だ。多分、今度のスターウォーズIMAXで必ず見てしまうだろう。

だた、1点気になったのは、スクリーンの裏にもスピーカーがあるようで、そのためか、スクリーンが音で揺れるのが気になってしまった。微妙な揺れだから気にならない人は気にならないのかもしれない。

もし、これからダンケルクを観る方は是非IMAXで見て欲しい。

インセプション (字幕版)