Netfilxで配信している『Annihilation(アナイアレイション)』を観ました。これがNetflix限定で配信しているところに、Netflixの意気込みが感じられる。
このブログでも紹介している『メッセージ』や『インターステラー』などの科学系の映画が好きな人には是非観てもらいたい。Netflixに躊躇している人にとってもこれは会員になる良い機会だと思う。
話はよくありがちな話で、詳しくは他のメディアでも取り上げているからそちらを読んでいただければと思う。
ざっと話すと、よくわからない領域が地球上にできてしまって、そこに入ったら誰も出られない。たまたま出てきた一人がなんかわけわからないことになっている。そして、たまたま、その一人の奥さんが生物学者で、変わってしまった夫の謎を突き詰めによくわからない領域に入るって話。
超現実的な人類補完計画
エンターテイメントというのはある種のシミュレーションだと思っている。映画や漫画、小説はその作者が想像する思考実験でしかないと思う。となると、その思考実験自体がどれほど面白いか、興味が湧くかというのが問題で、現実世界の延長線上にありつつ、さらに、そこから距離を保った状態の想像性があると惹かれる。
今回のこの映画のコアな部分の面白さは生物や物質、電磁波などあらゆるものの境界線がなくなっていくということだと思う。すごく簡単にいうとエヴァンゲリオンの人類補完計画をちゃんとリアルに落とし込んだ感じではないだろうか。
つまり、エヴァンゲリオンの場合は迷える子羊のシンジロウが、母親と一緒に全ての人類を飲み込んでいくような話だと解釈している。それを今回のアナイアレイションでは、生物のよくわかない物によって、それが行われていくような感じだと思う。
Annihilation (2018) - Official Trailer - Paramount Pictures
アナイアレイションって?
タイトルの「アナイアレイション 全滅領域」邦題のサブタイトルに「全滅領域」となっている。これ作品の中の翻訳でも全滅と訳されているが、ちょっと内容的にピンとこない。だからサブタイトルにしているんだと思う。
「Annihilation」を調べると確かに、「全滅、絶滅、壊滅」となっている。しかし、この3つめが面白いく、わたし的にはこちらの意味が非常に合っていると思う。
正にこのことだと思う。そして、Anの後に「nihil」となっている。ニヒリズムのニヒルで、虚無主義の無を意味している。
映画冒頭によくわからない領域から帰ってきた旦那がニヒリズム的な側面を持っているのはこのことなのかもしれない。これが大きく映画の中で重要な意味を持ってくる。