Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

【ネタバレ注意】人間の想像力は次元を超える『TENET(テネット)』

handgun

公開と共に話題のクリストファー・ノーラン監督の『TENET(テネット)』を観に行ってきました。 やはり、監督の作品は面白い。というか、観続ける仕組みが満載で、それが映画たるもので観る人を興奮させる作品と言えると思う。

ザックリとした荒筋

毎回難解なテーマで、今回のテネットはさらに難解になっている。ある物質が武器商人に渡り、謎の兵器が作られて、さらに大きな最終兵器が作られ人類が滅亡するのを阻止する話である。 ここからネタバレになってしまうので、もう知りたくない人は読まないでください。

謎の物質とは

謎の物質は時間を逆行する物質で、未来の人から送られて来たという設定になっている。ここが難しいポイントなんですが、なんで時間が逆行するのか。それは通常は増大し続けるはずのエントロピーを減少させる物質が開発されたという事。 この辺は、全く理解していないですが、まぁ、エントロピーが減少すれば時間が逆行すると漠然と理解していればよいかと思います。

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こんな素晴らしい素材がどうにかこうにか現代にもたらされてしまって、さらには、逆行する事ができる装置まで持ち込まれてしまったから大変になってしまう。

この映画のすごいと思ったところ

この映画、単純にタイムマシンの話ではなく、このエントロピーが逆行する世界というところに焦点をおいているところが非常に面白い。前々作『インターステラー』では量子力学の五次元の世界を表現していた。

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さらに、その前の作品『インセプション』では夢の世界をそれまでの映画にはない表現で表している。

テネットは単純な過去から未来という様な単純なタイムトラベルの世界ではなく、エントロピーが逆行する世界であり、さらに一歩踏み込んだ表現だと言える。一番驚くのはその誰も観たことのない世界を表現してしまったこと。もちろんノーラン監督自体もそんな世界に行っているわけはなく、その世界を想像できるというのが天才なのではないだろうか。

冷静に考えるとこの世界って単純に逆再生の世界なんですよね。ただ、面白いのは逆再生(エントロピーが逆行している世界)に逆行していない人が存在するってところ。 これがこの映画の面白いところ。時間を遡ることは誰もが一度は叶えたいと願うかもしれませんが、実際それが現実的に起きるとしたらどんな世界なのか それを素直に表現した様な映画だとなのでは。

映画の内容よりも見せ方の問題

さらに、この映画を面白いくしているのは常に高揚させる映画の構成だと思う。これは前作『ダンケルク』の表現が多分に使われているところ。ダンケルクでもそうだが、かいし5分も満たないところから一気にアドレナリンが開放される銃撃戦が始まる。 そこからノンストップで一気に30分程度進む。この間全く状況が理解できない。何が起きていて、誰が味方で、誰が的なのか。

それをより増幅させるのがサウンドトラックだ。冒頭で話た映画を観続ける仕組み。これがふんだんに取り入れられている。

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登場する人物が難解な説明をするが、それを理解しようとして必死で観ているとすぐにシーンが切り替わり十分に理解しないままどんどん進んでいく。なんとも難解なのに痛快な映画だと言える。 是非、IMAX シアターで観て欲しい。

TENET (Original Motion Picture Soundtrack) [Explicit]

TENET (Original Motion Picture Soundtrack) [Explicit]

  • 発売日: 2020/09/03
  • メディア: MP3 ダウンロード