Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

デジタルとアナログ

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『デジタルとアナログ』というタイトルですが、ビジュアルは先日小三の息子がホワイトボードに書いた落書きです。マイクラにはまっているので、キューブを書くのが得意になっています。

本題に入ると、デジタルとアナログの違いを考えたいと思います。先日の横浜トレンナーレのトークイベントで養老孟司氏が話していたことがとても印象的で、再度考えてしましました。

noriyasu-katano.hatenablog.com

 デジタルはコピーできるもの

養老氏曰く、デジタルとはコピーできるもので、アナログはその逆のコピーできないものだ。まさに0と1の世界ではコピーが簡単だ。そして、今テクノロジーが発展して全てが01の世界に取り込まれようとしている。つまり、全てがコピー可能な世界になろうとしている。

アナログからデジタルへの変換でわかりやすいのはモーションキャプチャだろう。モーションキャプチャはモデルや俳優の関節部分に白い目印をつけて、ブルーバックのところで演技をしてもらう。それを映像でとってその目印だけを映像に残す。その様にして、残った目印の座標をデータとして取得する。すると、身体の動きだけをデータ、つまり、デジタルとして残すことができる。

モーションキャプチャ - Wikipedia

デジタルでコピーを残すということ

この様に今の技術はアナログなものをデジタルに残そうとしている。言い換えると今の技術革新というのは人間(アナログ)をいかにデジタルに変換してきたと言える。

では、モーションキャプチャの他にはどの様なことがあるだろうか、最先端の今の技術としては人工知能(AI)といわれるものだ。特にgoogleの考え出したDeepLearningはその最たるものだろう。

wired.jp

この記事で紹介しているのはDeepLearning で描かれたレンブラントの最新作になる。

レンブラントは16世紀に活躍したオランダの画家だ。もちろん、彼はすでに亡くなっていて新作など書けるわけがない。どういうことかというと、DeepLearningが書いたのだ。

Deeplearing はDeep「深い」、Learing「学習」から成り立っていて、「深層学習」といわれている。仕組みとしては、今までのレンブラントのタッチをコンピューターがかいせきして、その解析された表現集まりから、レンブラントの選びそうなモチーフを割り出し、その構図やタッチなどを表示していく事になる。

レンブラントは生前1000点以上の作品を残したといわれている。その1000点を解析する事で、作家の癖が導き出される。題材を選ぶ時の癖や、よく描かれる構図などを割り出している。これにより、アナログをデジタルに置き換えている作業になる。

一度、デジタルに置き換える、コピーできる事になる。つまり、レンブランドの絵を描く全ての癖がコピーされた事になる。

今までアナログでデジタルの入る余地がないところにも、デジタルの考えが適応できる様になった。

デジタルで表現できない事

では、どこまでデジタルで表現できるのか。レンブラントの描画の癖までデジタルとして処理できることは創作全てができてしまうのではと考えが発展してしまう。そして、人間にとっての聖域である意識というところまで行くのではと考えてしまう。

脳の発火傾向をデータ化し、外部の影響により反応を起こす様にプログラミングを作る。この事によって、意識自体をデジタル化する事はできるのではないかと思う。しかし、ここに大きな落とし穴がある。それは、観察する側に自然の意識が存在することだ、つまり、そのコンピューターなのかロボットを見た時に、見ている側は人工ではない意識を持っている。そして、人工の意識を目の当たりにすると、それが自然の意識なのかわからなくなる。つまり、デジタルの状態に意識が生まれたとしても、それが本当の意識なのかどうかというのが正確に判断できない事になる。

では、どの様に正確に判断するのか、それは、意識を定義しなくてはいけなくなる。ある一定の状態を保った時、それを意識と考えるというゴールを作る事になる。では、そのゴールに人間の意識は適応できるのか。そもそも、そのゴールとは本来の意識を定義できるものなのか。

これが、人工知能や、人工意識の絶対的な壁ではないだろうかと思う。

最後に、では隣の人や思いを寄せている人に本当の意識が存在するためにはどの様に定義すればよのだろうか?

意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

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