Netflix『新聞記者』を4話まで見終えた。地方理財の職員鈴木和也が自殺し、栄新学園問題が泥沼化し始めた頃である。
本作品自体は多くの記事で書かれているので、あえてここではあらすじ等はやめておきます。
この作品は日本の社会問題を、実際に起きた事件を中心にダイレクトに表現しているドラマだと思う。
今回ブログに書いておきたいのは、鈴木和也というキャラクターについて書きたい。
このキャラクターがどこまで実際の本人に近いのかは分かりませんが、1人の人間が自殺までに追い込まれていく状態を、非常に上手く表現していると思う。
演じているのはベテラン俳優の吉岡秀隆である。私自身もうつ病を患っていたので、死にたいと言う気持ちが何度も湧き起こっていた。
幸せしかなかった人生
このキャラクターが変貌していくのは、改竄の依頼を受けたその時点からである。これは1話目の終わりの方で、話のはじめに出てくる彼は非常に前向きで、やる気に満ちて幸せそのものを表現していた。
妻との会話などからも、今までそれほど大きな苦労がなく、あったとしても本人の中で前向きに乗り越えてこれたんだと思う。
それは多分、自分自身に嘘をつく事なく人生を歩んで来れた証拠なのではと感じる。
自分に嘘をつく事
自分に嘘をつくとはどう言う事かと言うと、自分の中で色々な考えや希望、したい事が生まれてくる、これらに対してどれだけ正直に実行・実現できるかだと思う。
大抵の人は自分でこう言う感情に蓋をしてしまう。これが私が思う「自分に嘘をつく」という行為。
小さい事から、大きい事まで人は一瞬一瞬でいろんな事を考えて行動している。「あっ今度これをやってみよう」「次はあそこに行ってみよう」など、しかしこう言う思いに大抵は「これをしたら変に思われるだろう」「あそこは遠いから無理だ」と自分に言い訳をつけて実行しない事が多い。
自分に嘘をつかない人は、こう言う感情に対して正直に実行できているんだと思う。ただ逆に自分のできる範囲しか発送しない人とも言える。もちろん、それでも実行するためには努力と苦労は必ず必要になってくる。
なので、このキャラクターが自分に嘘をつかなければいけない状況と言うのは、非常に辛い状態だったと想像できる。
純粋な人ほど考えなくてはいけない状況
勘違いしないでいただきたいのは、改竄や立場を利用した卑怯な隠蔽を仕方がないと言っているわけではない。
こう言う人こそ、自分とは価値観が全く違う人種がいて、同じ日本語を喋り、同じ環境にいるってことを気づいて、ほしく、さらに、そういう人ほど、声を一層大きくしていかなくてはいけないと感じた。
鈴木和也を追い込んだ人の様に、小さい頃から、自分に嘘をつき、人の目を気にして、立場だけがその人を作っていく。自分に嘘をつき過ぎて自分が無くなって、人の事を見下す事で自分を作り、人を全く信用できない人間が多くいること。
だから、自分に嘘をつく事なく真剣に自分と向き合って進めてこれた純粋な人ほど、強く一歩踏み出す勇気が必要なのかもしれない。
そうすれば、コンビニからFAXが送れたのかもしれない。