Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

日本人を日本人とたらしめる根源〜『菊と刀』を読んで

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今回は第十二章「子供は学ぶ」を勉強していきたいと思う。 今までは、日本人の人生観を見てきた。何度も言っているが、日本人は階級序列を非常に重んじてきた。それは東洋文化にある先祖崇拝の考えが江戸時代の士農工商で明確な序列が生まれ、さらに明治政府により天皇への確固たる恩を作り上げることで日本人の中に深く根付いたものである。

しかし、つくづく疑問に思うのが、なぜそれを国民は黙って受け入れてきたのかという点である。江戸時代などは幕府の力による強制的な形が強いが、明治時代の軍人勅令など、ある種国民自体も納得して受け入れてきた背景があると思う。誰も何も文句を言わず受け入れて、育んできてしまっている様な気がしている。

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死ぬ気でやればなんでもできる〜『菊と刀』を読んで

Death

運動系の部活動をやっていると「死ぬ気でやれ」というフレーズを聞かないことはないのではないでしょうか?「菊と刀」の第十一章では『修養』と題して日本人の「死ぬ気でやれ精神論を解説しています。

しかし、この章のタイトルになっている『修養(しゅうよう)』という言葉はあまり現代では馴染みが薄く、この章の内容自体も今の文化からすると薄まっているような気がします。

今までの章で、日本人は東洋思想を発展させた独自の階級序列を重要視した人生観がある事を、本を読み解きながら勉強しました。階級序列により、親に対する恩や天皇に対する恩に報いるために、義務や社会に対する義理を果たすことが日本人の最大の課題で、それを果たすためであれば善悪見境なく達成することが美徳となります。

最近の話題だとウィルスミスが奥さんを侮辱され、プレゼンターのクリス・ロックを平手うちする話がありました。まさにこれが日本とアメリカの価値観に差がある事を実感させます。一部の日本人には奥さんの汚名を返済したかのように称賛されますが、アメリカではそもそも暴力でそれを実施することがそもそも間違っていることになります。

この様に日本人の人生観では暴力(悪い事)が義理のために果たされる事を称賛する文化があります。

では、その文化がどうして人々の価値観になっていくのでしょうか?第十一章と第十二章では日本人がその様な精神を個人の中で育まれる様子を解説しています。

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世間にバレなければ何をやってもいい文化〜『菊と刀』を読んで

It seems that the only people in Japan interested in politics are octogenarians.

今回は第十章「徳のジレンマ」を取り上げます。 この本を読むとつくづく自分の中にある日本人が浮き彫りになり、「確かに、そういう事だったのか」と色々と気付かされます。日本人として日本の文化の中で育った自分を見つめ直す良い機会だと思っています。

前回の第九章までは恩とか、義理、人情を読み解いてみました。ベネディクト曰く日本人の人生観の中には「忠」「孝」「義理」「仁」そして「人情」というものがあり、それぞれが別々のエリアになっていて交わる事がないと言っています。どういうことかというと、人を評価するときに、その人のそれぞの部分で評価しているからです。

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例えば、「あの人は義理堅い人だ」とか「忠誠心が強い」と言うように、それぞれのエリアで評価する傾向があります。

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