photo by Iker Merodio | Photography
帰りが遅く深夜アニメを見る機会が多くなりました。深夜は大抵の番組が面白くありません。大抵はマツコデラックスとの対話番組が多いです。ゴールデンを狙って作っている感じがしますが内容がだいたい同じです。アイドルがMCを務める番組とか、芸人とゲストを呼んで構成される番組がほとんどです。そうすると、MX東京を中心にアニメを観てしまいます。
そこで、私自身が面白いと思ったアニメを紹介したいと思います。
深夜アニメの特徴
まずは、深夜アニメの傾向を考えたいと思います。
深夜アニメに多いのが「ハーレムアニメ」です。これは、主人公が男性で、複数の女性との話になります。大抵女性は別々のタイプで構成されています。巨乳、貧乳、眼鏡、おっちょこちょいといった具合です。環境は学校(高校)の話からファンタジー的な状況もあります。
こういうアニメを好んで見ている視聴者の心理は「現実逃避」だと思います。私自身はこういうアニメは好きではなく、まったく見る気がしません。理由は、現実とあまりにもかけ離れすぎているからです。現実世界の状況を考えると、この様な状況が成立することはまずあり得ません。
どこか気が抜けない男性に対してタイプ(価値観)の違う女性が好意を持つことはまずないと思います。また、それほど優れていない主人公がよりおっちょこちょいの女性に対してツッコミをいれている状況もよくわかりません。
あくまでも個人的な推測ですが、この様なアニメを好んで観ている方は現実に対しての大きな不満を持っているといえます。しかし、その不満も社会的に大きな不満ではなく、ごく身近な不満にとどまっているため、現実に近い状況を描いたハーレムアニメに逃げていくのではと思います。
深夜アニメの2/3はこのようなアニメになります。
『デンキ街の本屋さん』
その中で、同じように現実に近い状況を描いた傾向の面白いアニメがあります。『デンキ街の本屋さん』です。このアニメも複数のタイプが違う女性が出てきます。しかし、男性が一人ではなく複数になります。
主人公は電気街の漫画専門書店にアルバイトとして務めている女性で、その勤務先の日常を描いています。思いをよせる店長がいて、女性が主人公含め3人と男性が3人の職場になります。それぞれ、特徴のあるキャラクターで3対3の中に恋愛感情が生まれていきます。
デンキ街の本屋さん 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
- 作者: 水あさと
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/11/22
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
何が面白いのかというとリアルに近いという点です。まず、主人公は社員ではなくフルタイムのアルバイトだという点でボロアパートに住んでいます。私自信も20代前半友人と東京でルームシェアをしていました。その時TSUTAYAでバイトしており、このアニメの職場のシーンや人間関係に近い状況でした。そのため、ハーレムアニメと大きく違い共感が持てました。
『ヨルムンガンド』が面白い。
孤児のヨナ(白髪の少年)が武器商人のココとともに繰り広げる話です。ヨナは少年でありながら高い戦闘能力が買われ、他のメンバーと共に武器商人の防衛をしています。武器商人という変わった状況を描いているアニメです。武器商人と言ってもSFやファンタジーの中の武器商人ではなく現実世界の武器商人になります。
ヨルムンガンド コミック 全11巻完結セット (サンデーGXコミックス)
- 作者: 高橋慶太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/04/26
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る
このアニメの面白い点は武器の知識がハンパないことです。たぶん、作者は相当武器マニアで武器に対しての知識が豊富なんだと思います。それが、いちいち武器の説明を会話にいれることはなく、武器に吐出していないところがより面白くしています。
話を面白くするのは知識をひけらかすのではなく、いかに知識を隠すのかだと思います。
『艦コレ』が面白い
萌えキャラ爆発のアニメかと思いきや先日放送されていたので観てしまいました。
何が面白いのかというと、まず、完全に世界観を保っている点です。よくわからない敵が出てきますが、敵に関してはあまり言及していません。何故か、艦艇をモチーフにした武器を背負って、海の上をかける少女たちが出てきますが、話では何一つその状況に対して説明しません。「なぜ、敵と戦うのか」、「なぜ、この武器を背負っているのか」、「なぜ、男性が出てこないのか」、全く説明がないまま日常と戦闘を繰り返します。
その潔さがとても面白いです。そして、艦艇の知識がハンパないことは理解出来ます。物を擬人化する作業にとても重要なのはその物自体への理解だと思います。常に触れている人達から見てもその擬人化が理解されないければ成立しません。
例えば『艦コレ』の場合は艦艇の知識が豊富な人でも『艦コレ』をみてそのキャラクターの特徴と艦艇の特徴がリンクすることがとても重要です。これが成立しているということは、作者の艦艇(海軍)に対して知識が豊富なんだと思います。だから、背景の説明がなくても成立できるんだと思います。
観ている側は、話自体に興味があるのではなく、艦艇が擬人化して、日常の中でどう反応するのかということに興味があるんだと思います。
『進撃の巨人』が面白い
多くの人がはまっている『進撃の巨人』は、やはり面白いです。コミックは4巻くらいしか読んでいなくあまりコミックでははまらなかったのですが、アニメになりその面白さが半減していないので楽しく見ています。
アニメになり面白さを色々と考えていました。巨人が出てきて、世界の状況も現実とはかけ離れています。単純にこのアニメの面白さを考えると、この世界感自体になります。しかし、このアニメで一番面白いのはそれぞれの人間関係だと思います。特に組織の中での人間関係です。上司と部下やチームでのそれぞれの人間関係はよく出来ています。
あと、アニメになって面白いと思ったのはスピード感あふれる街での戦闘シーンです。迫力があり、テンポが良いと思います。
やっぱり、『寄生獣〜セイの格率』が面白い
発売当初からハマっていましたが、アニメになってまた見直すとよく出来ている話だと思います。全く価値観の違う生物とどのように価値観を共有していくのかという点が非常に面白いです。全く違った価値観を持っていてもその生物にも命があり、生きる権利があります。
映画『第5惑星』にも共通したテーマがあります。戦闘中にあった異星人と同じ惑星に不時着します。お互いの故郷に帰るためにお互いを理解しはじめるという映画です。
でも、『ガンダム』は面白い
東京MXでガンダムのファーストが放送されていました。映画ではなんども最後のシーンを見ていたのですが、TV版で見るのは初めてだったかもしれません。TV版のほうが、最後のシャアとアムロの白兵戦シーンでセリフが多く詳しく説明されている感じがします。よく、あの当時にあれだけのストーリーが生まれたと思います。
人が宇宙空間で生活を始めると脳が発達(?)して、テレパシーで感覚を共有することができるようになり、さらにこの話に政治的な話を加えることでよりストーリーが立体的になっているように思います。
まとめ
どうしてもアニメになるとキャラクターやメカなどに目が向いてしまいますが、しかし、それらの要素は表面的なものだということを理解する必要あると思います。
そして、その表面的な要素を利用して作者が何を表現したいのかを推測するのがアニメの面白い点だと思います。一見複雑なキャラクター設定や背景を描いているようなのに、キャラクターの構成がハーレムになっていたり、話の展開がどうしてもいままでにメガヒットしたアニメに似ていたりととても中途半端になっているアニメが多く見られます。
そんな時は表現する主題を明確にして表現し尽くしたほうが面白いと感じられます。