チューリングテストというものがある。チューリングという博士が考えた思考実験だ。壁の向こう側とコミュニケーションをとって、その壁の向こうにいるのがコンピューターなのか、人間なのかを判断するテストだ。
今の時代はまさにこの時代だと言える。例えば昨年くれにWebのメディア界隈で非常に問題になった「Welq」の事件はその極みだと言える。
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人の会話はそれほど大したことない
チューリングテストはコンピューターの話の事だが、ネット上では常にチューリングテストが行われていると言える。チャットボットなどは人工知能によって、ユーザーの質問に対して答えるシステムが確立している。
人にとってコンピューターのテキストの会話であれば、その向こうにいて返答しているものが人間なのかコンピューターなのかがほぼわからなくなっている。それを巧妙に使っているのが「サザエさんbot」の中の人だと思う。彼(彼女?)はbotという概念を逆手にとり個人のマーケティングに役立てている。
この様に、すでにtwitterやLINEなどの簡単なチャット形式のサービスではほぼ相手がロボットなのか、人なのかがわかりにくくなっている。私も詳しくないがボットの仕組みを簡単に説明すると入力された文章を解析し、単語に分解して、その単語から文脈を読み取り、その文脈や単語にあった回答を返答することになる。
ここに学習機能をつけると、質問し回答することで質問に対するパターン化がだんだんとコンピューター上に記録され、より良い回答が導き出せると言える。これはある意味質問された内容に対して辞書内の言葉を紐づけている様なものだ。
しかし、ほぼその仕組みで人の会話が成立する。多分、日々自分が他人と話している内容を冷静に意識してみると、確かに、それ程、大したことを言っていないことに気づくだろう。
コンピューターだけが対象か?
このチューリングテストはコンピューターに向けられた思考実験だが、今の時代はそれ以外の事柄にも言える。例えば、よくみるのがUFO映像など。昔から詐欺まがいなことが横行されていたことはよくわかるのだが、今の時代はほぼ100%映像をいじることができる。
こちらのメディアでは3DCGに関する情報を提供している。ハリウッドで作成された映画などの背景は全てCGで作られていることなどがわかる。
3DCG(メイキング) | CGトラッキング(CG Tracking) 世界のCGニュースを集めてみる
今までの技術だと、実写でとった部分とCGの部分などの境がはっきりとわかったりしていたが、現在の技術ではそれが区別できなくなってきている。さらに、すごいのはスペックの高いマシンやツールなどがユーザーに簡単に手に入れることができる。
3D映像の場合、物理的な計算処理を簡単に行うツールなども多様しているため、簡単な設定で表現できる。巷に転がっているUFOや心霊などの映像は多くのものが素人が頑張って作成した作品だと言える。
つまり、映画のほぼ全ての内容は実際にその場所に向かって撮影しているケースは稀なのではと思う。
映像やネットだけではない
これは、映像やネットだけのものではなく、今世の中に蔓延しているコンテンツのほぼ多くは実際の内容とどこまであっているか疑問になってくる。
テレビ番組などは編集が必ず入る、バラエティだけではなくニュースもキャスターなどがその内容を編集している。その他、番組内の観客の笑い声や拍手などはほぼ全て偽物といっても良いだろう。
常に誰かの手で作成されたものは本当にその事の事実を書いてあるかは信じがたい。さらに、この状態はよりひどくなり、見てる側やサービスを受けている側はこの事を念頭において、物事を慎重に見ていく必要がる時代だと言える。何も考えずにTVやメディア、スマフォをただただ見ているだけでは、見破ることが難しい時代だと言える。
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