人類は1万5千年ころより、世界の大陸にそれぞれ移り住むようになったそうです。
その後人類はそれぞれの環境で、それぞれの文化を育んでいきます。 本の中で、興味深い話が書いてありました。
1835年11月、ニュージーランドの東800kmのところにあるチャムタック諸島に武装したマオリ族が船であらわれ、島に住んでいたモリオリ族すべてを惨殺し領土を奪われてしまった。 モリオリ族は優秀で、武器もマオリ族よりも優れたものを持っていました。
しかし、モリオリ族は争いというものになれえいませんでした。島内での争いもなく話し合いで解決を行う部族でした。マオリ族の襲撃の際も話し合いを求めていました。
一方、オマリ族内では武力による解決が習慣になっており、今回の襲撃も彼らにとっての普通の解決手段だといえます。 この話は単純に文化の違いにより、技術的な壁が無用の長物になった話ではありません。 オマリ族とモリオリ族は1000年前には同じポリネシアの部族だったということがこの話の恐ろしいところだといえます。
ポリネシアには島々が多く、同じ部族がそれぞれの島に渡り、社会を形成し文化をつくて行きました。しかし、同じ部族だからといって同じ価値観で社会が形成されるわけではなく、それぞれの島の環境にあった文化が形成されます。
そのため、同じ種族でも全く違った価値観が生まれてしまいます。 まさに、同じ人類なのに人種の違いで争いが生まれてしまうメカニズムが再現されているようです。 映像は、ラクビーニュージーランド代表オールブラックが試合の前に行うマオリ族の民族ダンスである「HAKA」です。
ラグビーW杯2011 日本戦 オールブラックス ハカ[Haka] - YouTube
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
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