Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

力学的エネルギーの保存則

交差点

長津田の御前田交差点は246と駅に向かう道が交差して車通りが激しい交差点だ。この交差点を境に下り道と上り道になっており、交差点が底辺となる。夜11時になると下り坂の一番高いところに自電車に跨いで御前田交差点の信号を見ているおっさんがいる。

遠く数百メートル向こうの信号が変わるのを待っているのだ。帰宅途中の私は残業でこの時間になるとこのおっさんをたまに見かける。信号が変わる直前におっさんは全速力で駆け降りる。一切ブレーキをかけず、一気に駆け降り、信号の直前で青に切り替わり、交差点を抜け、上り坂を駆け上がる。

いつもこの光景を見るとハラハラドキドキしながら駆け降りるおっさんを見守る。一番緊張するのはおっさんが交差点を抜ける時だ。「もしかしたら信号無視の車が突っ込んでくるかもしれない。」「タイヤがスリップして滑ってしまうのかもしれない。」などと考えながらおっさんを見守る。 交差点付近は煌々と明るく灯っており、スポットライトのようにその瞬間が数百メートル離れていてもよく見れる。まさにオンステージだ。

おっさんは今日も勝ち誇ったように上り坂を駆け上がり暗闇に消えていく。

ジェットコースターの原理であるエネルギーの法則で坂道の頂上から球を転がすと何もしなくても同じ高さまで球がのぼる。まさに彼はそれを体現している。しかも自分の体のみで。この光景を見るといつも思う、多分、上り切ったところでガッツポーズでもするのか自分の理論を証明できた事に満足するんだろう。そして、彼は「生きている」と実感しているんだと思う。40代も中盤になると何も楽しみがない。もちろん日々の喜びはあるが、昔のような興奮が全くなくなる。ただ、こうやって一瞬を作っている人を見ると勇気が湧いてくる。

今夜もそのおっさんを見たので、思わず書き残してしまった。