Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

ベネディクトが予見していた日本の未来〜『菊と刀』を読んで

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菊と刀』を一章ごと細かく読んできました。自分の中でも常々「日本人ってどうしてこんななんだ」と残念になることがあり、今回それが色々と理解できた様に思います。もちろん自分自身が日本で生まれて、日本で育っていて、99%日本人に囲まれた生活をしているので、ある意味日本人しか知らない分際で日本人を比較した穿った見方をするのもおかしいのですが、テレビの影響なのか、日本人のおかしな点を感じることがあります。

菊と刀』はアメリカの女性文化人類学者が戦後に出版し、当時日本でもベストセラーとなり、教科書にも掲載された本です。著者であるルーズ・ベネディクトは最後の章でこれからの日本の在り方、進むべき方向を彼女なりに示していました。 今、読んでみると彼女の見立て通り、日本は進んでいるのかもしれません。

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日本人を日本人とたらしめる根源〜『菊と刀』を読んで

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今回は第十二章「子供は学ぶ」を勉強していきたいと思う。 今までは、日本人の人生観を見てきた。何度も言っているが、日本人は階級序列を非常に重んじてきた。それは東洋文化にある先祖崇拝の考えが江戸時代の士農工商で明確な序列が生まれ、さらに明治政府により天皇への確固たる恩を作り上げることで日本人の中に深く根付いたものである。

しかし、つくづく疑問に思うのが、なぜそれを国民は黙って受け入れてきたのかという点である。江戸時代などは幕府の力による強制的な形が強いが、明治時代の軍人勅令など、ある種国民自体も納得して受け入れてきた背景があると思う。誰も何も文句を言わず受け入れて、育んできてしまっている様な気がしている。

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死ぬ気でやればなんでもできる〜『菊と刀』を読んで

Death

運動系の部活動をやっていると「死ぬ気でやれ」というフレーズを聞かないことはないのではないでしょうか?「菊と刀」の第十一章では『修養』と題して日本人の「死ぬ気でやれ精神論を解説しています。

しかし、この章のタイトルになっている『修養(しゅうよう)』という言葉はあまり現代では馴染みが薄く、この章の内容自体も今の文化からすると薄まっているような気がします。

今までの章で、日本人は東洋思想を発展させた独自の階級序列を重要視した人生観がある事を、本を読み解きながら勉強しました。階級序列により、親に対する恩や天皇に対する恩に報いるために、義務や社会に対する義理を果たすことが日本人の最大の課題で、それを果たすためであれば善悪見境なく達成することが美徳となります。

最近の話題だとウィルスミスが奥さんを侮辱され、プレゼンターのクリス・ロックを平手うちする話がありました。まさにこれが日本とアメリカの価値観に差がある事を実感させます。一部の日本人には奥さんの汚名を返済したかのように称賛されますが、アメリカではそもそも暴力でそれを実施することがそもそも間違っていることになります。

この様に日本人の人生観では暴力(悪い事)が義理のために果たされる事を称賛する文化があります。

では、その文化がどうして人々の価値観になっていくのでしょうか?第十一章と第十二章では日本人がその様な精神を個人の中で育まれる様子を解説しています。

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