Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

日本人の階級序列への執着はどこから生まれたのか〜『菊と刀』を読んで

step up

ルーズ・ベネディクトの『菊と刀』はアメリ文化人類学者の視点からよく日本人を考察されていると思う。これは第二次大戦終結直前から日本人を研究した本だが、数十年経った現在でも日本人の習慣として残っている気がする。 彼女のまとめた『菊と刀』では、日本人の根底にあるのは階級序列だと言っている。

確かに現代でもその序列の真髄は大きく崩れる事なく存在している。ではなぜ、戦後から70年以上、さらに紀元前660年の神武天皇即位以来、日本人の根底として階級序列という概念が根付いているのか考えてみたい。

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日本人の根底にある階級序列〜越智敏之・越智道雄訳『菊と刀』の第一章〜第三章

Star Wars, Shibuya

数年前に購入して一度ブログでも取り上げた『菊と刀』をもう一度読み直している。

 

noriyasu-katano.hatenablog.com

 

『虜人日記』を読んで「日本人ってどうしてこうなんだろう」と思い、再度読み直してみた。

菊と刀』はルース・ベネディクトという文化人類学者が第二次大戦終盤に日本を占領するために日本人を研究した本である。

これは日本人が日本人を研究してるのと違い、アメリカ側の冷静な視点でアメリカと日本を比較研究している。

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結局日本人は何も変わらない。〜小松真一『虜人日記』を少し読んで。

Japan

この本は小松真一氏の戦争体験記である。捕虜になる前までを読んで思ったので、まとめておきたい。

どんな本かと言うと小松さんが体験した事を細かく本人が書いている。捕虜になり、ルソン島に移されてから時間ができたので書き残したらしい。それにしては細かい事が沢山書いてある。その他に彼のスケッチも添えらえている。

小難しい戦争論ではなく、いち日本人が経験した事を書いている。本当の意味での日記である。

日本人は変わらない

昭和18年7月、酒精工場で働いていた筆者がフィリピンの占領地にブタノール製造のために行く事になる。

ブタノールは発酵技術を使って生成され、ガソリンに混ぜたりして燃料として使っていたらしい。

ryojin-nikki.com

発酵技術を研究していた真一は引き抜かれた形でフィリピンに向かう。

 

この本が面白いのが彼のちょっとしたコメントが面白い。当時の人とは思えないほど上官とかに対してシニカルに表現している。

 

当時のマニラは日本軍様様だったようで、極楽と評している。それに甘えた上官達がいて仕事もしないで遊び歩いているところなどが描かれている。そして部下に対しては、厳しいとどこかで見たような光景で想像が容易い。

 

「日本人は教育はあるが教養がない。」今にも通じる言葉は当時のアメリカ人の言葉らしい。

 

この本の前半だけでも、こんな呆れた上官がゴロゴロ出てくる。結局、無能で無駄な人間が上長に取り入れられて、地位だけ獲得する人間が多すぎる。さらに、情けないのはこれが70年以上前から変わってなく、もしかしたらもっと前から変わって無いんじゃないかと思う。

 

結局日本人の思考はだらしなく、適当で何も考えていない。血がそうさせるのか?日本語がそうさせるのか、この本は日本人が有事の時に見せる一面を淡々と表現している。

この本を読んで反面教師的に自分の中で消化していきたい。