Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

サイエンスになるデザイン『美術手帳2005.3/脳科学とアニメーション(佐藤雅彦)』

「団子三兄弟」、「バザールdeゴザール」などを手がけたプロデゥーサー佐藤雅彦。現在は慶応義塾大学の講師をしている。

彼を知る初めてのきっかけは「コイケアスコーン」である。同じフレーズを繰り返し使用し、リズミカルにインパクトを混ぜて行く。彼の表現方法はシンプルかつユーモラスだ。最初はのっぺらぼうみたいなCMやキャラクターに気持ち悪ささえ感じた。しかし、見るたびにその印象はかわりいつの間にか彼の発想の虜になってしまった。

 現在彼の手がけているのものにタスクアニメーションという物がある。脳の測定を助けるアニメーションである。(荒い説明で申し訳ないです。)

例えば脳の検査では数十枚の物写真を被験者に一枚数十秒の間隔で閲覧させます。その中に人間の顔の写真を混ぜ、脳内での顔への活動を見ます。しかし、これでは被験者は他の思考に惑わされ実際の正確な測定が得られません。そこでこのタスクアニメーションを使用するとより正確に脳の活動が把握できます。

なぜなら動きのある点がバラバラに動きある一瞬でだけ顔の形にまとまります。被験者は対象が動くことにより集中がはかれより正確な活動が見られます。

この例はタスクナニメーションの一角にすぎなくより深い内容と展望が秘められていると私は思います。 

画像の伝達方法である木構造は木の根のような表現により一つの画像を伝えている。

この木構造はアナログな情報伝達なのだが、的確に画像を伝えることができる。

またこのタスクアニメーションはとても洗練されていて、見た目にも全く落ち度がない。

シンプルでわかり易い。彼のいままでのデザインの延長線上にある作品だと思う。

現代の脳科学認知科学、自然科学などが発展していくと人が物を感じる感覚のメカニズムはどんどん解明されていく。そして、その感覚を売り物にしているデザインは今後もっと違った形になっていくような感じがする。