なぜ、人は笑うのでしょう。
そのメカニズムを本の中では、緊張感と開放にあると言っています。状況が進むにつれて緊張感が増していく、状況が深刻になると人の辺縁系は次の変化に備えようとします。そして、その状況がある状態の発見により深刻な問題ではないと判断されると一気に緊張から開放されます。そこに笑うという衝動が生まれます。
例えば、本の中でも紹介されているのですが著者のラマチャンドランが床についていると下のリビングから物音がします。本人は風か何かだろうと気にかけません、さらに数分後こんどは先ほどより大きな物音がします。しかし、また何らかの理由をつけ気をそらします。最後に今までより大きな音がしたので、辺縁系は異常事態に備えます。おそるおそる下に下りるとリビングには猫がいました。犯人は明確になり笑いが起きます。
このように「落ち」が深刻でない場合に笑いが起きるのです。
では、TVや舞台、映画などの喜劇で笑いが起きるのでしょう? もちろんコメディアンの腕が影響すると思いますが、この状況は観客が100%安全であるという前提で行っています。そのため、より大きな笑いにつながります。しかし、逆にその前提があるため、むしろ緊張感を演出する方が難しく、そしてその緊張にあった落ちを作るのも難しいでしょう。
基本的に笑いの持つ要素として「緊張感の緩和」があります。初めてのデートではいかに笑いを作るかが次のチケットになります。つまりお互いを知らない段階では警戒心(緊張)が強いはずです。それを笑いによりほぐすことができます。
- 作者: V・S・ラマチャンドラン,サンドラ・ブレイクスリー,山下 篤子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
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