Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

ノーム・チョムスキーの『メディア・コントロール』を読んで

America

以前、アメリカに憧れて1年半くらい住んでいた。あの頃はただただアメリカ文化への憧れでしかなかった。すでに10年以上前のこと、ちょうど9.11が起きた直後にアメリカに渡った。それから、10年以上がたちノーム・チョムスキーの『メディア・コントロール』を読んだ。

2003年に初版は発行されていたようで、その当時は全く触れることがなかった書物だろう。当時は脳科学や心理学に興味があり、養老孟司などの本を好んで読んでいたように思う。今、この本を読むととても衝撃的で、あの当時アメリカで何が起きていて、さらに、それまでに何が行われていたのか良く理解出来る。

 リップマンから始まるメディア戦略

本の内容は1922年に発行されたリップマンの『世論』から始まる。リップマンは1913年に『ニューリパブリック』の編集員になり、第一次大戦から政府の重要政策に関わるようになった人物らしい。

検索して、wikipediaを見ると面白い結論が載っている。

人間の認識は現実環境を反映しながら思考で形成した疑似環境が存在することを論じている。擬似環境を参照しながら人間は自らの行動を形成するものであり、行動の結果は現実環境に影響する。つまり人間は現実環境、擬似環境、行動の三角形の中で活動するのである。リップマンはさらにこの三角関係を方向付ける固定観念の存在も指摘しており、これをステレオタイプと呼んだ。ステレオタイプは現実環境から擬似環境を形成する時に事実を恣意的に選別することになる。リップマンはこのような問題を克服するためには、隠れた事実を表面化させて相互に関連付け、行動するために必要な現実的な擬似環境を構築する機能が必要だと考えていた。この機能をリップマンは真理の機能と強調しており、真理の機能は出来事が生じたことを知らせる合図であるニュースと補完しあう。

世論 (リップマン) - Wikipedia

あくまでも私の解釈だが、これは、行動するためには、擬似(妄想や理想)を参照しながら現実環境(過去の記憶や自己思想)に影響を与えて行動になるということだと思う。そして、固定観念の場合は、この現実と擬似を結びつけるのに事実を作ることが有効だと言っている。それを真実でなくても事実を作り上げることによって、行動を促すことができると言っているのではと思う。

ことごとく作られた事実

メディア・コントロールでは、この作られた事実を利用し今までアメリカが行ってきた事を挙げている。そして、そのアメリカのやってきた事にノーム自身を含む知識人が何もしなかった(できなかった)と語っている。

次の動画は2007年8月に日本テレビで放送された「世界一受けたい授業」の一部である。講師は元NGO国際連合職員の伊勢崎賢治氏ある。

www.youtube.com

内容は湾岸戦争に世論を動かしたアメリカの行った自作自演についての話である。リップマンの時代から世論の動かし方を試行錯誤してアメリカはその時代その時代で政治の動きやすい様に周りを動かしてきたことがわかる。

確かに、第二次大戦などではプロパガンダとして戦争を煽るポスターや広告が多く使われたともう。しかし、このアメリカが行っていることは偽りの事実を作る事により世論を大きく動かしていると言える。

もしかしたら日本にも

そして、このメディア・コントロールを読んでいるとつくづく感じるのが、第一次大戦前からこの様な手法を持っていたのであれば、敗戦国に対してもなんらかしらの戦略が取られたと思うのはしごく当然の様に感じる。日本は敗戦国でGHQによって占領された。占領以前からアメリカは日本の文化や日本人について多く調査を行なっている。

noriyasu-katano.hatenablog.com

 もし、仮に戦後日本で大規模な洗脳に近い取り組みが行われていたと考える、現時点の日本の文化、政治に関心がなく、従順に会社に支えている姿勢などコントロールしやすい国になったとも言えるかもしれない。

また、大きく疑問に思うのがgooglefacebook, Amazonなどグローバル企業の資産は小さな国を簡単に買えるほどに大きくなっている。今までは国の中で収まっていた企業はどんどん国境を越えて活動している。国が自国の利益のために行っている戦略一体誰のためなのか、また、なんのために行っているのかが分からない。

まだGHQの洗脳に縛られている日本人

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