この時期になると、選挙や政治の事を考える良いチャンスだと思う。三宅洋平の高円寺の演説を聞いた。今まで、この選挙の時期にいろいろと候補者の主張を聞いたりしていたけど、ここまで「生の声」を聞いたのは始めだ。
20160623三宅洋平 選挙フェスDay2 JR高円寺駅北口
もちろん、「生の声」を聞いたからと言って、彼の主張が100%正しいとは言えない。そこを判断するのは、この演説を聞いた方、本人が決めれば良い。
ネット選挙に思う事
2013年からネット選挙が施行されて、かれこれ3年になる。帰りの電車の中で、候補者の主張を読んでみようと思った。しかし、すでに3年も経っているのに、非常に使いづらい事が多々あった。まず、自分の選挙区がわからない。選挙区くらい自分で覚えておけって思うかもしれないが、年に何回あるかわからない選挙区を覚えているほど、選挙マニアじゃない。そして、選挙区くらい簡単に見つかるだろうと思ったら、とんでもない、選挙区は複数の住所で構成されているから、覚えにくい。自分の住所から、選挙区を探した。
次に候補者を探そうと思った自分の地域と「候補者」という検索では、過去の選挙の情報が出たりして、今回の候補者を見つけるにも一苦労だった。
そして、まだまだ問題が残っている。各候補者の主張が全くわからない。多分、半数の候補者はtwitterも、facebookも、ホームページも持っていない方が多い。さらに、持っていても、全く主張がわからない。twitterは演説の場所をつぶやいているだけ。facebookも今日はどこで会食だなどといったもの。全く話からない。
冒頭の三宅洋平のようにわかりやすいメッセージだったら、選挙演説を聴けば候補者のやりたいことがわかるのだが、基本的こんなメッセージをぶつける候補者はいない。
街頭演説のyoutubeを載せている候補者がいるが、演説の内容は全くないに等しい。具体的ではなく、何がしたいのか全く分からない。
名前を売れば良い選挙
昨年、地元の選挙に親父の友人が立候補した。親父は応援団長としてその友人を支えていた。その様子をたまたま地元に帰った時に見てわかったことがある。結局、選挙は名前をいかに覚えてもらうかが重要だということ。つまり、選挙期間中、別に意見の主張をする必要はなく、有権者が投票当日に、投票箱の前で、自分の名前を思い出してもらえるかが重要なだけだんだと思った。
なんで、こんな状況になっているのか、多分、選挙期間が短すぎるからではないかと思う。2週間の選挙期間。普通に仕事をしている人で2週間なんてあっという間だ。さらに問題は、自分の選挙区にいる時間はこの2週間のうちにどのくらいなんだろうか。
私の場合は、職場が東京都渋谷だ。選挙期間中に地元(選挙区)にいるのは土日くらい、さらに、その土日も出かけていたら、全く選挙区にいる時間などない。この時間でどのようにして候補者のことを調べられるだろうか?となると、「知っている人」で決まる。政策もクソもない。多分、候補者や政党の方々はこの事を十分理解していると思う。だから、有名人を使う。
そもそも、選挙に興味を持たせるとか言っている前に、この状況をよく考えて今の状況にあるような選挙システムを作り直した方が良いのではないか。
だから、三宅洋平が面白い
冒頭の三宅洋平に話を戻す。名前を売る事が選挙に勝つ事、これがわかりきっている中で、三宅洋平が面白いのは、ちゃんと政策を自分の声で発している事だ。動画を見てもらうとわかるが、かなり、勉強している。多くの候補者に言えるのが、「勉強している」風なだけで、本当に勉強しているのかどうかが全く演説ではわからない。
特に選挙の時の街頭演説では、「頑張ります。」や与党の悪口くらいしか聞こえない。具体的な欠点も数字で演説している人は少ない。全て一般論でしか話していない。スーツ着て、公の場で、まともそうなことを言っていれば、なんとなくまともに見える。これが三宅洋平の面白いところだろう。
興味のある方はじっくり聞いて、自分の選挙区に同じような考えを持っている人がいるか調べてみるのも良いだろう。
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ちなみに、こちらがネット選挙の解説