前回に引き続き、塩田明彦監督の『映画術』で紹介された映画を淡々と貼り付けていこうと思います。映画の詳細とかは、検索してもらえるとあらすじなどが出てきます。
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今回は、第二回講義の『顔』を取り上げています。
章の冒頭は著者の作品から始まります。1999年の作品で『月光の囁き』です。この映画を通して監督は俳優の顔が映画そのものと感じたそうです。
そして、話は2本の映画を見比べることで講義が展開されます。ヒッチコックの『サイコ』(アンソニー・パーキンソン出演)と、そのリメイク版ガス・ヴァン・サントの『サイコ』です。ガス・ヴァン・サントの『サイコ』はヒッチコック版のものと全く同じカットで構成されているそうです。
俳優やセットは違うのですが、画面構図などは同じように作られています。この二つを見比べると、ヒッチコックが何をしたかったのかがよく分かるそうです。
そして、この他「顔」をテーマにした作品を紹介しています。
『パリの灯は遠く』では、映画の冒頭に顔を図るシーンがあるそうです。ナチスに占領されたパリで、ユダヤ人の顔の寸法にあっているかどうかを図っているそうです。ユダヤ人の比率と合っている人は認定され強制収容所に送られると言う極めて残酷なシーンから始まるそうです。
もう一本は『顔のない眼』です。交通事故で顔の皮膚を失った名医の娘は、皮膚移植を施し、顔の皮膚を取り戻します。しかし、当時の技術では顔の皮膚は取り戻しても表情は取り戻せず、鉄仮面にも似た顔になります。
眼だけの表情で、その心情をうまく表現した映画だと言えます。
その他、章の中では細かい作品が紹介されていますが、数が多いので割愛します。
ちなみに『月光の囁き』はコミックだったようですね。