Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

佐野研二郎のエンブレム問題に思うデザインの事とオリンピックへの雑感

http://www.flickr.com/photos/21155047@N04/3349509756

photo by miho+miho

佐野研二郎氏のエンブレムは結局取り下げになり、エンブレムは再公募となりました。(2015年9月5日の時点)遅ればせながら、デザイナーの端くれとして思った事を書き残しておこうと思います。

デザインに思う事

盗用されたと噂が広まった当初思ったのは、「デザインってそんなもん」という事です。つまり、人間の発想ってそんなに独自性はなく、似てきてしまうのは仕方がないという事です。デザインなどに関わりがなく、幼いころから絵心がないと実感されている人からすると、創作活動というものを何か特別な才能だと思われがちですが、こんなものは大してすごいものではなく、単純にその事に対して時間をかけているだけの話だと思います。

そこを何かおかしな期待がデザインには持たれるようで、特にその希少価値が高くなればなるほどその期待がおかしな方向に行ってしまう傾向があります。これはデザインをやっている人たちにも、たまに自分の作り出したものに陶酔する人もいます。

ただ、結局人間の発想の元は誰かの請負にしか過ぎなく、独自性とはその作品のなかで0.01%程度なんだろうと思います。そのため、デザイナーの多くが色々なものを見て聞いて感じることをよく言います。

そんなデザインへの期待度が間違った高まり方をした結果今回の騒動になっているんだと思います。

でもやっぱりコピってる

当初はそんな事を思い、似ている事にそれほど意識しなかったのですが、時間が進むにつれて多くの盗用疑惑が浮上してきました。一番の問題はパクっているというよりコピーしている事です。しかも無許可で行っているところが大きな問題だと思います。

matome.naver.jp

この記事に載っているNASAの写真を見たときに、完全に黒だと感じました。佐野氏の弟子とされている森本氏の作品にNASAの宇宙浮遊の写真が反転されて使用されています。ポーズも服のシワもそのままです。つまり、弟子への教育の中でそのような事を教えている事になります。

これは、ものを作る人間として最低の行為だと思います。もちろんインスパイアされる事はあると思い、彼女の作品の中に写真家の印象を使っているものなどありますが、しかし、このNASAの件やフクロウの写真などはそのまま利用しています。全く撮影した人に対しての尊敬がないように思います。

この時点で弟子とされる人とそれまでの行為を考えると、日常の業務の中でスタッフとのやりとりが想像できます。

佐「いいじゃんこれ」

ス「本当ですか、ただ、この画像まだネットから持ってきてアタリなのですが」

佐「いいよ、いいよ。ネットなんて誰も見てないし、わからないよ。」

ス「でも、著作権や肖像権とか、、、」

佐「いいよ、いいよ。そんなの俺に口出しする人もいないし」

彼のクライアントからの修正は1回だけしか受け付けないようです。自分の知名度を利用して文句を言わせないやり方だったのか、そんな会話が想像できます。

1964年の東京オリンピックへ強い思い

そして、今回東京オリンピックが決まってから思ったのは、本当の意味で世界をリードするオリンピックを目指していただきたいです。

 

noriyasu-katano.hatenablog.com

 1964年の東京オリンピックではまさに戦後の復興をかけてこれから世界と対等になるために進んだ日本を披露するオリンピックだと思います。しかし、今回のオリンピックではその過去のオリンピックにとらわれて、わざわざ過去のオリンピックをやろうとしているのが情けないです。華やかでかっこいい、建前だけの競技場や、デザイナーとしての意識の高さを見せつけるために過去の有名デザイナーへの執着。

そんな、今を生きてこれからを目指す人たちが、結局過去にとらわれて何も最先端で亡くなっているような気がします。本気で「これから」を考えて欲しいです。今やっている事は「前例にならう」しかやってないと思います。

前例にならって華やかな競技場にしました。前例にならってシンプルなエンブレムにしました。

 「これから」のオリンピック

もし、これからを考えるなら、もっと今の日本を見つめるべきだと思います。日常でかわいいしか意識できない多くの日本女性の存在や、昔の習慣から女性蔑視を続ける日本の文化、40万人を超えるニートの存在、アウシュビッツ並みの朝夕の通勤、3万人近くいる自殺者、放射能垂れ流し状態の明るい未来のエネルギー。

matome.naver.jp

こういった日本の状態を脱却するような、国民全体が前向きになるようなオリンピックにして欲しいです。

そのためには、見た目や建前などではなく地に足をついたオリンピックを計画、建設していく必要があるのではないでしょうか?これが本当の意味で1964年当時のオリンピックのあり方を尊重したことになるのではないでしょうか?

地方都市への企業誘致、そのためのインフ整備、日本全国で無料wifiの設置、最先端の国際都市として開かれた東京、多くの価値観を提供できるための電波の解放、新しい働き方の義務づけ、新しいエネルギーへの投資。

本当の意味でこれからの日本に必要なオリンピックを国民も一緒になって考えるべきです。頭の固いラクビーしかできないオリンピック委員長に全てを任せると、とんでもない、ただのスポーツ馬鹿オリンピックになるのは間違いないのではと思います。

 

TOKYOオリンピック物語 (小学館文庫)

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