久しぶりに「面白い本」に出会った気がします。文章が読みやすく、一気に読んでしまいました。
佐藤雅彦さんは、NHKの「ピタゴラスイッチ」などをプロデュースしたクリイエイティブディレクター(?)です。
数年前に「広告批評」で佐藤さんの特集をやられていて、その記事を読みひどく感銘を受けました。丁度ピタゴラスイッチが始まったばかりの頃だと思います。それまでの佐藤さんと編集者との対談とそれまでの仕事をまとめたものです。
その後、何冊か著書を買ったのですが、『任意のP点』などちょっと実験的な本ばかりで、その実験を行うまでの過程やら思考を読みたかった私には少し物足りなかったです。そして、何年かたって、本屋に行くと、芸能のジャンルにまとめられていました。全く違うジャンルに収まっていて、意表をつかれた感じで目に飛び込んできました。
『暮らしの手帖』で連載している「考えの整頓」をまとめたエッセイです。
ひとつひとつの話は、佐藤さんが日々感じた事を書いています。読み進めていると著者の人となりがよくわかりました。他愛もない海岸での風景を小魚の視点から話を作ったり、ちょっとしたエレベーターでの出来事などです。なんで、この人はこんな他愛もないことに気を向けて、そこから面白さを生み出せるのか、とても不思議に思いました。
一番印象に残っているのは佐藤さんがお姉さんに送った話しです。ここで話してしまうとネタがバレてしまうので、気になった人は購入していただければと思いますが。その話は実験的な話で、読み進めていくうちにどうなってしまうのか感じました。
映画『ゲーム』を彷彿させるどんでん返し。なんとも楽しい話になっています。
日常に疲れた時とかに読むと、そんな疲れる日常の見方を少し変えてくれて、また明日から頑張ろうと思います。
なんだか、まとまらなくなりました。
- 作者: 佐藤雅彦
- 出版社/メーカー: 暮しの手帖社
- 発売日: 2011/11/01
- メディア: 単行本
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