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Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

日本映画への誘い

映画

http://www.flickr.com/photos/27412901@N04/6933971160

photo by alf.melin

この数ヶ月間寝る間を惜しんで映画を見まくってまいした。

新しい感覚を求めるには、映画が一番ですね。最近はめっきりハリウッドに興味がなくヨーロッパ映画や日本映画にと手を出しています。特に日本映画は面白く本数も多かったです。 日本映画を代表する監督と言えば、黒澤明です。

高校時代の恩師が映画好きで「黒澤の黒(影)は本当に黒い。木炭のような黒だ」と言ったのがきっかけで黒澤映画を見始めました。羅生門の冒頭の雨はまさに印象的です。後に聞いた話ではあの雨の中には墨汁を混ぜていたそうです。

日本映画の監督のなかでも自分の中では一番荒々しい映画を撮る人だと思いました。色は泥臭く乱暴です。画面構図も対象に寄る配置が多く、アップが多い感じがします。 より心情を表現しようとしているんだと思います。

カラーの黒澤映画『どですかでん

時代がモノクロからカラーに進むと監督は表現に困ったと聞いていますが、私は彼の初期のカラー映画『どですかでん』が好きです。

どですかでん [DVD]

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戦後間もない時の貧乏長屋での話で、色は相変わらず泥臭く、濁った感じがします。しかし、何とも言えない空気感に惹かれます。 確かに黒澤映画は迫力があり内容も面白いのですが、世界では小津の方が早くから受けていたように思います。小津を語るほど小津を見ていないのですが、僕はこの人ほどおしゃれな人はいないのではと思います。

ほとんどの内容が平凡な日常を表現し、端的に言えばつまらない部類にはつまらない部類に入ってしまうと思うのですが人物の取り方や話の進め方の細部にこまごまとしたおしゃれを感じました。

アメリカで観た小津映画『浮草』

アメリカに住んでいる時に初めて小津映画に見せられました。そのとき見たのが『浮草』です。

浮草 [DVD]

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 小さい島に劇団の一座が恒例で巡業します。訪れた一座を待っていたのが、座長の島での奥さんとその間にできた隠し子がいます。息子は座長の事をおじさんと呼び、訪れるのを待ち望んでいました。その事が座長の本妻にばれるやいなや、一座の存続を揺らがす事件が起きます。

内容が想像よりも激しく小津のイメージを一変させるが、その画面は淡々と人間模様を描き面白みをましています。小津の魅力の中にはこういった、一見静かに見られる作風とは全く異なるシナリオにあるように思います。

鈴木清順の魅力

おしゃれな映画監督をいったら、もう一人奇抜で郡を抜いているのは鈴木清順監督ではないでしょうか。前衛的でシュール言葉を失うほどの画面展開を作り上げます。最近の作品『ピストルオペラ』はやっと清純の感覚に時代が追いついたと思いました。わたしはこんなおじいさんになりたいといつも心がけています。

鈴木清順の映画で一番脳裏に残っているのは『楊炎座』です。

松田優作主演の映画です。映画において芸術とはこのような事を言うのかと思いました。

陽炎座 [DVD]

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 話の内容は友人の奥さんに恋心を描く話なのです。「失恋で学ぶことって極端に言えばこうでなくちゃいけない」って感じがします。この人のすごい所はわけがわからない所です。冒頭で松田優作が画面中央につったってこちらに話し始めます。振り返り、また話続けます。背景は先ほどと全く違っています。

つまり、周りの状況が何もわからないのです。どこでこの役者が話しているのか、この道の角をまがったらどうなるのか全くわからないのです。

映画の中での地図がかけないのです。また話の展開も時間の進み方もぐちゃぐちゃです。

それがすごい。映画を知り尽くして、それを遊んでいる感じがします。映画には編集という過程があります。それを一番理解しているように思いました。画面の色使いも奇抜で、黒澤を黒としたら、この人は赤だと思いました。

新藤兼人のドキュメンタリー

次に新藤兼人監督のドキュメンタリー映画を紹介します。実際の事件を元にシナリオを書き起こしているようです。 黒澤にはない迫力と繊細さを持ち、人間が作り出す事件、その背景、心情などを細かく表現しているように思います。

『裸の19才』は衝撃的です。
集団労働で中学を卒業後上京、都会の寂しさから逃れるために職を転々とし験せん目当てに殺人を犯していきます。当時の集団労働者の若者を描いた作品です。

裸の十九才 [DVD]

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 乙羽信子新藤兼人作品に常に出てくる女優です。彼女の演技力はすばらしいと思います。どんな役柄にも徹して、力強く表現しています。これぞ女優って感じがします。

自分がこの監督作品を見る理由のなかにこの女優を見てみたいという心情もこもっているように思います。

最後に、市川崑の『股旅』

 

最後に紹介したい監督が市川崑監督です。一番好きな監督です。

画面構成が一番奇麗で大胆です。話の展開、シナリオの面白さ、色の使い方、編集、どれをとっても自分の感覚に近い物を感じます。特に金田一シリーズは原作の横溝光一の世界観を一番うまく表現しているようです。おどろおどろしい感覚など、あの感覚を受け手に与えるのはこの人しかいないように思います。 

今回観た中で発見した作品が『股旅 』です。 

股旅 [DVD]

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 江戸時代のとせいの生活を描いた作品です。かっこ良すぎます。渋すぎです。親を捨て村を捨て旅をしていきます。やっぱ人間ってこんなもんですよね。「これでいいんだよねー」って感じです。

ながながと映画の事を、独断と偏見で書いてしまいました。あくまでもこれらの事は私の意見です。それぞれの監督が本当にそう思って描いているかはわかりませんが、日本映画ってホント面白いです。自分も日本語を使い、日本の長い歴史から生まれた文化のなかに住んでいます。一番、親しみが脇、役者の沈黙の訳が理解できます。

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