2000年4月に原研哉は「リ・デザイン展」という展覧会を行たそうです。
この企画展のコンセプトは「日常の未知化」です。何気なく過ごして何気なく手に取っているデザインされつくしたデザインを再度考え直そうというものです。このコンセプトはあくまでもそのデザインを変えようとすることではなく、再デザインするこで新たにもとのデザインを見直すのが目的だそうです。
本の中では企画に参加した数名のGデザイナー、建築家、コピーライターなどの作品が紹介されています。本の中で紹介された作品を簡単に紹介していきたいと思います。
建築家 坂茂のトイレットペーパー
建築家、坂茂に与えられた課題は「トイレットペーパー」、紙の建築家として知られている彼の答えは「四角いトイレットペーパー」です。
森林伐採により切り崩され紙の資源とされていくトイレットペーパーが、巻き取られるときに「カラカラ」っと現在の丸芯のペーパーよりも自己主張します。そのことで、トイレットペーパーを使う時に常に紙の資源のことが想起できるというコンセプトです。確かに、丸い芯でもたまに鳴るのがあります。その時は「やけにうるさいなぁ」と思うだけかも知れませんが、「うるさい」という印象を使っている人に与えるだけでもすばらしいと思います。
このコンセプトのみならず坂茂のトイレットペーパーは収納にも便利にできており、発想時の箱つめでもその効果を見ることができるそうです。
佐藤雅彦の入出国スタンプ
次に、佐藤雅彦の入出国スタンプです。「団子三兄弟」や「バザールでごザール」で有名な佐藤雅彦は現在慶応大学の教授をしています。
彼に与えられた課題は「入出国スタンプ」です。彼の答えは非常に彼らしいといえると思います。日付と入出国を表す文字が飛行機の形になっていて、出入国には飛行機の向きが逆になります。
これで、日本に出入国する外国人や、また日本人にたいして大きなコミュニケーションが生まれているそうです。デザインで大切なのはやはり見ている側とのコミュニケーションではないだろうかと感じます。
『考えの整頓』(佐藤雅彦)を読んで - Noriyasu_Katano's blog
建築家 隅研吾の展望台
建築家、隈研吾の代表作は瀬戸内海に面したところにある「亀老山展望台」だそうです。建築を消すというコンセプトで山の地中にあり、ふもとからはわかりません。つまり、建築の存在する概念を取り払っているそうです。
その彼の課題は「ゴキブリほいほい」です。彼の作り出した「それ」は見るからにガムテープ、テープには均等に折りたためるように筋が入ってして、四マス進めると四角い筒ができるます。もちろん内側には粘着質がありゴキブリは連なったこの筒を通ることで捕獲されていくそうです。
まとめ
今まで印象に残っている日用品がまったく違った観点で考えなおされていき、それまでの持っていたそのものに対しての価値観がまるで違うものへと変化していきます。もし、発売当初からまったく違ったデザインで発売され、私達の日常にあったとしたら、私達の価値観もまた違ったものになるかも知れません。