Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

頑固者の心理-『脳の中の幽霊』<その4>

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photo by HausVonElliøt ©

本の中で『疾病失認症』という症状を紹介しています。

この症状は脳卒中の患者に多く見られるそうで、自分が脳卒中で倒れた事、そのために入院したことも十分理解しているのですが、それによって半身が麻痺している事を認識しない症状です。

患者の右または左半身は完全に麻痺して全く動かない状態なのです。しかし、医師などが症状を尋ねると患者はすでに自分の半身は動かす事ができると述べます。「(うごかない手で)鼻をつまんでください。」というと「つまんでいる」や「今日は腕が痛くてうごかない」と自分の麻痺している事を認めまようとしません。

この症状は意識して言っているのではなく、脳の作用によって認識できないそうです。

この症状が現れるのは脳卒中の患者でも左半身が麻痺している患者に多く見られるそうです。左半身が麻痺している事は、右脳が脳卒中により機能していない方です。脳内には一般的に感情的な文化系の右脳と計算が特異な理系の左脳があります。

そして、本ではこの疾病失認症の症状から他の右脳・左脳の機能を提示しているといいます。 右脳は感情の変化や微妙な環境の変化、矛盾を敏感に感じる事ができ、左脳はその微妙な変化等に鈍感でそれらを隠蔽しようとする作用があるらしいのです。つまり、左脳では常に今まで作り上げた枠組みに常に状況を当てはめて行こうとします。それを右脳が矛盾を検出し、誤りを見つけます。

その2つのバランスで我々は環境に適応しています。しかし、疾病失認患者は右脳が機能していないので左脳の機能が強まり、現在置かれている自らの状況を認められないそうです。

また、飛躍した考えかも知れませんが、左脳が右脳よりも比較的活発に活動している人は、常に自分の行動などを今まで作り上げた枠組みにあてはめていくのでしょうか?

頑固者と呼ばれる人たちは左脳の活動が活発なのかも知れません。

脳のなかの幽霊 (角川文庫)

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