Noriyasu_Katano's blog

脳科学や量子力学、政治や戦争に関して、日々の感じた雑感を書いていきます。

瞳の奥に…-『脳の中の幽霊』<その3>

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photo by Mikleman

人がどのように視覚を利用しているかをまとめてみました。

物を見る現象を知る上で、間違いそうなのが、見たものをそのまま脳内に映し出しているという考え方です。

例えば、まず、物体の倒立像が眼球内に映し出されます。明暗の像が網膜の光受容体を活性化し、そのパターンが画素ごとに神経をとおして脳内のスクリーンに映しだされるといわれています。

しかし、このように流れをたどってしまうと、脳内でまた別の機関がこの映し出された映像を見なる必要があります。

つまり、もし視覚が見たままを脳内に映し出しているのであれば、エッシャーなどのだまし絵が通用しなくなるということになります。

脳内で記号化されることで、騙し絵が成立する。

人の脳には像を処理する領域がいくつもあり、お互いに神経インパルスというもので交信しています。あらゆる情報が記号化され脳内のインパルスで駆け巡り処理されていきます。視覚情報もこのれと同じです。

つまり、脳は眼に映った像を何らかの形で記号化し、脳内でそれに関連する神経活動が発生し、状況を判断、認識します。

2つの異なる絵が混じった『だまし絵』などは見方を変えると、それぞれのまったく違った絵になります。もし、視覚が単純に物事をコピーしているだけであればただの図としか認識されません。1つの絵が視覚情報として脳内に入り、記号化され、その絵をある情報と結びつけます。結びつけた情報からまた他の情報に結ばれ、その絵が特定のものであると認識されます。 一度認識された絵は、なかなか視覚からの情報を変更できず、もう一つの絵の存在を消してしまいます。

例えば、このようなことが脳内で行われているのだと思います。

デザインはこのような脳の誤認を利用し、目的に沿うように導いている作業を行っていると思います。 それが顕著に現れるのがピクトグラムなどの単純化されたサインだと思います。ピクトグラムは単純なオブジェクトを利用して、その物自体を的確に訴求していると思います。

脳のなかの幽霊 (角川文庫)

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