本の中で面白い実験が紹介されていました。
被験者の一方の手でおもちゃの手を不定期にたたきます。もう一方の手を被験者の視界範囲外のところで、不定期にたたかれるタイミングでたたきます。 そのうち被験者はたたいているおもちゃの手を自分の体の一部と感じはじめます。脳が自分を取り巻いている環境を履き違え誤作動を起こしている状態です。この不定期にたたかれることで、自らの身体マップが狂ってしまうことを表しています。
そして、この実験はこれらの被験者に発汗検出装置をつけ、感情の乱れを数値化して観ていきます。 誤作動を起こした脳は、このおもちゃの手に釘を刺すと発汗し感情が乱れてしまいます。完全におもちゃの手を自分の手だと認識していることが伺えられます。
自分の事ではないのに、自分の事だと思ってしまうこと
これと近い現象は私たちの身近で頻繁に起きていると思います。
例えば事故の再現VTRなどを見ていると当事者のように痛がったり、肩をすくめたりしてしまいます。これは少なからず、その事故が自分に降りかかったことを想像できるから身体が反応しているのだといえるのではないかと思います。このことは映像だけではなく、写真を見たり、文章を読んだりすることでも起きています。
どうしてこれらのことが起きるのかは、もう少し本を読み進める必要があるとおもいますが、現時点で私は前回と同じ直感が浮かびました。
幻肢について-『脳の中の幽霊』<その1> - Noriyasu_Katano's blog
もし、想像力豊かな人がいたとしたら、特定の人の写真や説明を受けただけでその人を想像することができ、その人と同じ感覚を想像することができるのではないかと思います。
そして、その人の脳内発火現象も想像し、同機できたとしたら、特定の人の感情や思考パターン、行動パターンをコピーできるのではないだろうかと思います。
脳内の発火現象に関しては茂木健一郎の『脳とクオリア―なぜ脳に心が生まれるのか』を読んでいただくと理解できます。
茂木氏の考えでは何十億光年離れた土地に同じ脳内発火パターンを持っているならばそれは同じ人だと述べています(とても荒い説明です)。 このことが、透視や幽霊現象などの不思議な現象も説明できるのではないかと思います。
- 作者: V・S・ラマチャンドラン,サンドラ・ブレイクスリー,山下 篤子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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