先日「脳の中の幽霊」を購入し、夢中になって読み進めています。
現時点で感じたことがあるので書き留めておきたいと思います。 まず、幻肢の発生原因が、脳の知覚領域への侵入によるものと、本来の知覚領域の見直しにあると述べています。いくつかの体験談などを読むと、被験者がどのように幻肢を体験しているかが良く理解できます。
脳の知覚領域への侵入とはニューロン群の活発な発火が、失った手の知覚領域におよんでいることです。また、本来の知覚領域の見直しとは脳内での体の地図を作り変えていることです。
つまり、物理的には存在していない失った手を脳の感覚では完全に失っていなかったことになります。 この章を読んで私は幽霊という現象もこれと似ているのではと思いました。
幽霊の現象も同じシステムでは?
飛躍しすぎた考え方かもしれませんが、本の中で紹介される幾つもの症状や現象を読んでいると、失った人体のみに留まる現象とは思えなくなります。
例えば他人といるときに私たちは、その人の気配を視覚や聴覚、触覚などを使って感じることができます。 その間隔は非常に自然過ぎて日常では意識できないものです。また、その人とのつながりや過ごした時間が長ければ長いほど、脳の中で何かが作られていくのではないかと思います。
幻肢のばかげた推測のなかに「幻肢は願望的思考にすぎない」とかいてありますが、願望的思考の見方を変えれば、脳の中で古いニューロン群が作り替えられないまま存在し、それがある外界からの刺激をうけて発火してしまうともいえます。
もし、脳の中でその感覚領域が広い人がいたとしたら、なんらかの存在を幻肢の解明論理のように説明ができるのではないでしょうか。 それは実際に魂というオカルト的な考えではなく、もっと科学的な説明が可能になるように思います。
- 作者: V・S・ラマチャンドラン,サンドラ・ブレイクスリー,山下 篤子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (19件) を見る